2007/8/5

509:魔法の杖  

 大きな川にある石の多くは、平たくそして滑らかな形をしている。とても空気抵抗値が低そうな形状である。それを水面すれすれに低く投げると、数回川の表面をジャンプして結構な距離飛んでいく。

 水切りの回数が何回か、ということを小学生の頃は競い合ったりした。水切りしやすそうな形状の石を選び、手首のスナップを効かせて、サイドスローで低く投げる。そして、5回、6回と水きり回数を数えるのである。その低くリズムよく飛んでいく石は、見ていて一種の爽快感を感じさせる。

 今日の午前中はハンコックさんのお宅にお邪魔した。CDトランスポートとSD05のセッティングを煮詰め、さらに最高級のケーブルを使いこなした結果、相当良い感じに仕上がったようなので、少しばかり拝聴させていただいた。

 まずそのセッティングであるが、間近で見て正直目が丸くなった。なんという複雑さ・・・ひととおり説明を受けたのであるが、それをここで書くのは不可能である。とても憶えきれないほど、様々な要素が積層しているのである。

まずはCDトランスポート・・・
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つづいてSD05・・・
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 どちらも床から機器まで6層ぐらいボードやインシュレーターの積層がある。この調合はホグワーツでの「闇の魔術に対する防衛術」の授業でないと教えていないのでは、と思えるほどである。しかし、この試行錯誤の結果が音の決めに素晴らしい影響を与えたようなのである。

 そして電源関連も非常に凝った構成である。壁コンセントからエソテリックの電源ケーブルでPS AUDIOのクリーン電源装置、そしてMITの電源ケーブルでアコースティック・リバイブの電源タップ、そこからNBSと純正の電源ケーブルで二つの機器に給電する、という構成である。

 セッティングといい、電源構成といい、さらに高級なケーブルの数々といい、ハンンコックさんは9と4分の3番線から汽車に乗り、ダンブルドア先生から教えを受けてマグルの世界に戻ってこられたようである。

 そして、その音はというと、粒子の細かさといい、解像度の高さといい、音の質感に宿る人肌の暖かみといい、その完成度は飛躍的に高まっていた。

 最初にハンコックさんのお宅にお邪魔した時、その音は「こしあん」のようだという印象を受けた。そして今回、音の完成度は大幅にジャンプアップしたが、その基本的なテイストはやはり「こしあん」である。けっして、「つぶあん」ではない。餡の粒子はとても細やかでまろやかである。

 空気抵抗の少ない平べったく滑らかな石が勢いよく水を切っていく。そして5回・・・6回・・・7回と水を切りながら対岸まで辿りつくかのようである。そんな音の印象である。どうやらハンコックさんは、よくしなりそして白い光を放つ「杖」を手に入れたようである。



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