2007/8/3

507:蓄積量  

 税務署による税務調査は午前10時から始まり、午後の4時まで続く。通常の調査の場合調査官は1名で2日間にわたり行われる。お昼は1時間の休憩があるため、1日5時間、2日で10時間。この10時間は、結構タフである。心身ともに疲労するのである。

 今日は税務調査の立会い。立ち会った5時間は相当に濃厚な時間であった。精神を擦り減らす心理戦が延々と展開したのである。相手はこの道数十年のベテラン調査官であった。あの年齢で上席どまりであれば、エリートコースからは完全に外れているはず。定年まで頑張っても現在以上のポジション獲得は難しいであろう。しかし、長年の経験がものをいい、相当に手強かった。

 どうにかこうにか、敵の攻撃をかわし、軽微な損傷で済ますことができ、ほっと一息つくことができた。調査が終わったのが4時過ぎ。それから車で杉並公会堂を目指した。1時間と少しで目的地に到着。

 今日は「夏のトリプル・デュオコンサート」と銘打った3部構成のコンサートである。第一部が琴とフルート。第2部はメゾソプラノとバリトン。第3部はピアノデュオという盛りだくさんなコンサートであった。

 第1部琴とフルートのデュオコンサートが始まると、その心地よい響きに調査の立会いで高まっていた脳波が一気に下がった。α波にすぐになった。そして税務調査で頭の芯がジンジンする感じで疲れていたのが少しずつ癒されていくようであった。

 しかし、心身が相当疲弊していたせいか、α波になった脳波はもう少し時間が経過するとθ波になってしまった。この脳波になってしまうと通常の意識的な行動はほとんどとれない。平たく言うと熟睡してしまったのである。

 気付いたら第1部の最後の曲となっていた。というわけで第1部は大半を夢うつつのなかで過ごしてしまった。そのおかげですっかり疲労感は回復し、第2部・第3部はしっかり覚醒して聴く事ができた。

 コンサートホールで生演奏にふれるのは、とても気分がいいものである。そして今日はその演奏を聴きながら、この音の記憶は顕在意識からはやがて消えうせてしまうであろうが、無限大の容量を持つ潜在意識にはしっかりと蓄えられるに違いない、と考えていた。

 長年音や音楽に接してきた方は、その良し悪しの判断が的確でぶれがない。それは潜在意識に蓄えられた膨大な意識しない記憶の賜物であろう。私などその蓄積量が微々たるものであるので、的確な判断とは程遠い判断の連続となってしまう。

 そんな私であっても、その蓄積量をたゆまず増やし続ければ、その精度も徐々に上がってくるのでは、内心期待している。 



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