2007/7/1

474:解き放たれた音  

 オーディオの原体験というものは、確かにあったような気がする。しかし、それははるか昔、30年ほど前のことであり、記憶にもかすかに残っているといった程度のものなのである・・・

 中学生2年生の頃だったと記憶しているが、仲の良かった友人の父親がオーディオマニアであった。その当時は当然レコード。その広い書斎には、大きなレコードプレーヤーやアンプが並び、そしてかなり大きなスピーカーが壁際に鎮座していた。何度か聴かせてもらったことがあったのであるが、特にそのスピーカーは印象深かった。

 そのスピーカーはSONY SS-G9であった。その当時のSONYのフラッグシップだったと思う。堂々たる躯体を持つ4ウェイスピーカーであった。その当時は国産の各メーカーが威信をかけて覇を競っていた時代。そのスピーカーも相当なエネルギーを注いで開発されたことが伺える造りの良さであった。

 そのSS-G9の一つ下の機種であるSS-G7を今日は聴かせていただくことができた。チューバホーンさんのお宅にお邪魔させていただいたのである。チューバホーンさんのお宅は閑静な高級住宅街にあり、お洒落な北欧の輸入住宅である。壁や窓の厚みは日本の一般的な木造住宅の2倍以上ある堅牢な造りの家である。これは当然オーディオにも向いている。

 部屋は12畳程度であろうか、横長に使われている。スピーカーは各コーナー近くに45度ほど内振り角度を付けて設置されている。一般的な設置に比べスピーカーの間隔は広く、内振り角度は相当付けられている。この設置方法の場合、低域の量感が十二分に得られ、また音楽の躍動感やステージの広さも得られやすい。

 駆動系はSONY CDP-XA55ESとSD05のペアである。以前はTANNOYのスピーカーを相当にこだわりぬいた真空管のアンプで鳴らされていたようであるが、今はとてもシンプルな構成に落ち着いている。

 早速聴かせて頂いた。最初の曲はサンサーンス交響曲第3番第2楽章・・・豊かである、とても開放感がある。滔々とした雄大さが感じられる。弦楽器の音が豊かで暖かみがある。

 「解き放たれている。オーディオのしがらみや狭小なこだわりのようなものからもすっかり開放されている。」・・・自然で大らかな音世界がついついそんな感想を持たせてくれる。

 それからモーツァルト、ベートーベン、その他色んな曲を聞かせていただいたが、そのいずれもが、よどみなく流れる清流のように心地よい開放感を味あわせてくれた。SS-G7の出力音圧は94dB、SD05は100Wタイプ。このタイプの組み合わせ、私は大好きである。どうやら出力音圧の高い、エンクロージャーの響きを加味するタイプのスピーカーの方が私は好みのようなのである。

 そしてこのスピーカーの設置方法・・・これも優れた音楽的表現の一つの要のような気がする。我が家では現在T3は内振り角度を付けない正面設置方法を試しているが、今度は新たに、両コナー近く45度近く内振りを付けた設置方法を試してみることにしよう。

 チューバホーンさんは私と全く同年代。違うのは中学生の頃からオーディオに興味を持たれ紆余曲折を経ながらもオーディオと音楽に向かわれて続けてきたということ。私などは中学生の頃にオーディオ原体験をしたが、「凄いな〜」といった程度でやり過ごし、すっかり忘却のかなたに・・・40歳を過ぎてから、とち狂ったようにオーディオにはまるという突然変異型オーディオマニアに過ぎない。

 しかし、違う経緯を辿ってきたが、音や音楽の好みは相当近いものを感じた。聴かせて頂きながら「これ、これ、これだよ・・・」と心の中でついついつぶやいてしまっていた。

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