2007/1/9

所作  

 アナログレコードは埃がついたり静電気が起きたりと結構大変である。プレーヤに載せてからクリーナーで埃を取り、静電気を除去するという除電ブラシで掃くようにレコード表面をなぞり、そしてスタイラスクリーナーで針先をケアする。

 そのうえで、おもむろに針をレコードに落とすのである。この一連の動作が面倒といえば面倒。楽しいといえば楽しい。そして、その一連の動作がいたについてくると、傍から見ていて結構カッコいいものである。すばやく滑らかに滞りなく作動する自動機械のようですらある。

 オートマに乗りなれた私などが、たまにマニュアルの車を難なくスムーズに運転する人の横に乗ったりすると、「お〜カッコいい。」と思ってしまう。当の本人はなんていうことなく日頃やり慣れているので、難なくこなしてしまうのであるが、傍から見ていると、カッコよく見えるのである。

 レコードを扱いなれた人のすばやい動作を見ていると、同様な感じがするのである。思わず頭に「所作」という言葉が浮かんできたりする。ゴルフでも、一部例外はあるが、上級者のスウィングはスムーズでカッコがいいものである。

 昨日も「所作」という言葉が思わず頭に浮かぶ光景を見た。迷い羊さんのお宅にお邪魔した時のことである。私は普段CDをかけるときはケースから取り出してすぐにトレイに置く。たまにCD用のクリーナーを吹き付けてクリーニングするが、普段は特に何かするわけではない。

 ところが、迷い羊さんはCDをかけるときは必ず、まずCDを消磁する機械で両面を処理してから、静電気を除去するブラシで両面をさっさっと掃く。さらに水の入ったコップにティッシュペーパーが浸してあり、これをぎゅっと絞ってから広げ数回水切りをして、トレイに載せたCDの印刷面を数回なぞる。これで完了。いよい音出しとなる。

 濡れたティッシュでCDの印刷面をなぞることにより、静電気が完全に除去されるとのこと。この一連の動作、迷い羊さんは手馴れたもので、スムーズによどみなく行われる。なんだかその動作がカッコよく感じられる。

 また、毎回そうされには当然理由というか音に良い効果があるはず。ということで私が持参したCDで実験することにした。まずケースから取り出してすぐに音出ししてみる。2分ほど聴いてから、トレイから取り出し、この一連の対策をしたうえで同じ曲を同じ音量で聴いてみる。バイオリンの独奏曲であったのであるが、音が滑らかで艶やかになる。その響きに気品がでてくるのである。瑞々しい感じである。

 この変化はとても良い。わたしも早速取り入れることとした。CDを消磁する機械は3万円程度の定価である。今度御茶ノ水の方に行く予定があるときにショップによって買って帰ろう。除電ブラシは既に持っている。水とコップとティッシュもある。茶道における「所作」ではないが、CDをかける前の一連の決まった動作をすることにより音楽が美味しくなるのであれば、これはやらざる得ないであろう。



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