2006/9/20

あんぐり  

 口をあんぐりさせる。・・・あんぐりという言葉はいわゆる擬態語である。「驚いたりあきれたりしたせいで、知らないうちに口を大きくあけている様子」と辞書にはある。今日はstereo10月号を読んでいて、口をあんぐりさせてしまった。

 その記事は「音響人生是魔物的悦楽」。その中で紹介されていた山口県萩市の岩谷一さんは、5つものシステムをそれぞれ別個の部屋で所有されているとのこと。記事の中にはそのうち4つのシステムが写真入で紹介されていたのであるが、そのいずれもが個性的でハイエンドオーディオを代表するようなスピーカーがシステムの要となっている。

 B&W Nautilus、タンノイ Westminster Royal、ウエストレイク BSM15、マッキントッシュ XRT26・・・それぞれ独自の世界のある孤高の存在といってよい製品ばかりである。そしてなんといっても、それぞれのスピーカーが別々の部屋にセッティングされているのは驚異的ですらある。

 小児科の開業医ということであるので、経済的な余裕はあるのであろうが、ここまでのめり込むには相当な情熱がなければできるものではない。そのエネルギーと吹っ切れ方には正直敬意を表さずにはいられない。

 比べものにはならないが、私も今年に入ってから結構情熱的にオーディオには取り組んできた。経験の浅さから空回りすることが多く、回転遊具で遊んでいる二十日鼠のように自分のことを感じることもあった。足は相当な速さで動かしているのであるが、体は回転遊具の一定の場所よりも前に進むことがない。そんなもどかしさがあったが、「オーディオ機器の音を聞いているのではなく、実は部屋の音を聞いているのである。」と思い至って今現在リスニングルーム自体に手を加えるにいたっている。

 工事が始まってから自分のオーディオ機器の音を聞いていない。なんとなく耳寂しいが、それによって生活そのものに支障をきたすというレベルではない。ふと冷静になってみると多くの時間とお金と労力を使うに値する趣味なのであろうか?と自問したくなってくる。

 しかし、今日岩谷さんの記事を読んで、やはりオーディオには「魔物的悦楽」があるに違いないと思ってしまった。でなければ、これほど常軌を逸した行動に人を駆り立てることはないであろうから。



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