2006/8/15

固有の響き  

 オーディオを趣味とするようになってから、従来は全く興味のなかったことに対しても興味を持つようになることがある。最近ではインターネットで建材や木材に関するサイトを見ることが多くなった。従来では考えられないことである。

 石井式リスニングルームの反射面の表面材にどの木材を使えばよいかということで、いろいろ調べたりしているのである。今日何気なく見ていたAudio Accessory 120号に「木製インシュレーターの響き比べ」という記事が載っていた。木製のインシュレーターをスピーカーの下に敷いてみて、その音の傾向を探るというものである。各種の木の持つ響きの傾向が分かるかもしれないと思い、目を通してみた。そのうち幾つかを紹介してみよう。

 スプルース・・・クラシックは余韻が霞のようにたなびき、松の香り風の旨みが加わる。音場はスケールがほどほどだが、透明感と線画的分離感が心地いい。直接音より余韻を調色して音色を作っている。ジャズは力強さを損なわない程度にしなやか傾向。

 アサダ桜・・・クラシックは繊細にして艶のある音色美。中域が元気だが弱音が精妙。ジャズは明るい熱気が湧き上がり、快活なノリと分析力が両立。

 楓・・・クラシックは響きが大スケールとなり、ホールの奥行きや高さがよく見える。ジャズは自然に低音の量感が増して重厚にして迫力が向上する。

 黒檀・・・クラシックは弦のフレージング、管の呼吸が明瞭。鳴り物がくっきりするが、肩にちょっと力が入る。ジャズでは輝かしい音色と、エネルギッシュな押し出しが印象深い。音像が明瞭で硬質なタッチとなり、音場が見通しよくなる。

 インシュレーターとしての音の傾向であるので、反射面の素材としても同じような響きの傾向となるのかは不明であるが、それぞれの木の持つ固有の響きのある程度の傾向はつかめるのではないかと、思いながら読んでみた。

 そのなかで気になるのは、やはりスプルースである。現在反射面の表面材として候補に挙がっている木である。「余韻が霞のようにたなびき」という表現は、私の好みのツボを的確に突いてくる。楽器の材料にもよく使用される素材であり、美しい響きが期待できそうだ。

 業者に見積もり依頼してあるのは、スプルースのほかヒノキとシナ合板である。いずれも白木の仕上がりが美しいものであるが、白木には木の持つ心癒す暖かみと同時に清澄な美しさを感じることができ、好みである。



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