2006/8/7

シナ合板  

 昨日は石井式リスニングルームを採用されているI氏邸を訪問した。そのリスニングルームの現実離れした広さと高さ、内装の素晴らしさ、そして「見えるがごとく」というい表現がまさにふさわしい高解像度のサウンドにあっけにとられた。

 しかし、その空間はある意味現実感の感じられない異空間であった。あまりに広くあまりに高くあまりに豪華である。そこには個人の生活感の全くない純粋無垢なオーディオ・ビジュアル専用空間が広がっていた。

 建築家がそのセンスの粋を凝らして作り出したデザイン性の高度な個人住宅が、建築作品としてはまさに素晴らしい作品であるのであるが、生活観のかけらもなく、どことなく暖かみや穏やかさに欠ける傾向があるように、その空間は個人のリスニングルームとしてはまさに理想に近い規模と構造を有しているのであるが、最新設備を備えた録音スタジオか、高級なオーディオショップのリスニングルームに来たような印象を持ってしまった。

 しかし、その後にお邪魔したK氏邸はそういう意味では、より現実的で生活観のある空間であり、なんとなくほっとしてしまった。部屋の広さは約10畳ほどであり、天井高は一般的な2.4mである。反射面はシナ合板を使用されている。床はコンクリートによる補強は行わず、フローリング下の合板を二重にすることにより強度を高めている。シナ合板はクリアーなオイル仕上げであるため、明るい色合いである。シナ合板の仕上げは、見た目的にもそれほど見劣りするほどではなく、充分な仕上がり感である。シナ合板を反射面に使用すると、他の硬い木を使用した場合に比べて、音が柔らかく表現されるということであり、コスト的にももっとも安く出来るものである。

 私のようにクラシックがメインジャンルであり、どちらかというと柔らかな余韻感を重視し、また予算的にも余裕がそれほどない場合、シナ合板は反射面の素材としてピッタリであると感じた。また部屋がそれほど広くない場合、シナ合板の明るめの色合いは、部屋がより広く感じられて良いであろう。K氏邸は我が家から車ですぐの近さにある。部屋の広さも同じくらいであるので、リフォーム工事が完了したら、ぜひ一度音を聞かせていただきたい、と思っている。JBLの大型スピーカーをお使いとのことで、どのような音なのか興味津々である。

明るめの色合い
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