2006/4/30

コンコルド  

 一昨日のOFF会で聞かせていただいたJAZZのピアノトリオ、聞いていてとても気持ちよかった。特にドラムスとベースの音が魅力的に感じた。JAZZはほとんど聞いてこなかったが、少しこれからはCDも買ってみようと思い始めている。

 ちょうどそんなことを思っていたら、昨日家から比較的近い小さなホールでJAZZのコンサートがあるという情報を得、早速行ってみることにした。50人程度が入ればいっぱいになってしまう小さなホールでほぼ満杯状態であった。入場料は2,000円でコーヒーとケーキも出してくれた。とてもアットホームな雰囲気である。

 クラシックのコンサートには月に1,2回は必ず行くようにしているが、JAZZの生演奏を聞くのは始めてである。構成はピアノ・トランペット・アルトサックス・トロンボーン・ベース・ドラムス・ボーカルというものであったが、曲によっては管楽器は加わらなかったり、ボーカルが加わらなかったりと結構変幻自在であった。

 前から3列目のセンターに座ることができた。演奏者との距離がクラッシックのコンサートでは考えられないくらい近い。最前列の方はまさにかぶりつき状態である。音が出てくると管楽器の3名とボーカルが他の3名よりも前にいるので、管楽器の音がどんと耳に飛んでくる。その音を聞いていると音速の速さを体で感じてしまう。「音が顔に当たる」という表現が実体験として分かった。

 しかし、ドラムスの音の多彩さはやはり魅力的だ。スティックの先端でたたくのか、逆に持ち替えて根元の太い方で叩くのかによっても音が変わり、シンパルは中心付近を叩くのとふちの方を叩くのではまったく音が違う。あとブラシを使ったときの独特の音色も魅力的だ。演奏が進むうちに、だんだんドラムスばかりに目も耳も注目するようになっていた。

 管楽器はいずれも特色のある音色をそれぞれ聞かせてくれたが、その指向性の直進性を改めて認識することとなった。管楽器がこちらに対して正面を向いた場合、まさに音がまっすぐ飛んでくる。少し方向がずれると音色が相当変わる。思わず「HRS120は無指向性だから、こういう直進的に音が飛んでくる表現は苦手だろうな。」との思いが頭をよぎる。

 約2時間のコンサートであった。管楽器が正面を向いたときの音は、耳慣れていないせいか、若干耳につらい時もあったが、充分楽しめた。特にドラムスとベースの音に関しては我が家のオーディオでも聞いてみたいと思わせるものがあった。「あの演奏の多彩さによる音の変化を自分のシステムでも出せたらな〜」

 ということで、JAZZもこれから積極的に聞いてみようと思い、まずはピアノトリオのCDを何枚か購入してみようか、と考えている。しかし、クラシックのコンサートホールでのサウンドステージを目指して、奥行き感を最優先に調整してきた我が家のシステムであるが、JAZZがうまくなるのだろうか?悩みが増える予感が・・・

2006/4/29

毛が3本  

 OFF会第2部の後半は、マスタークロックとオーディオグレードヒューズの検証を行った。島田さんから自宅試聴にためにお借りしているAntlopeAudioのOCXはオペレーション周波数を切り替えることができるので、44.1khz・88.2khz・176.4khzの聞き比べを行った。同じ曲を順次周波数を上げていき聞いてみた。

 周波数をあげていくごとに音の繊細な表情が出てきて、空間的な見通しが澄んでくる印象を受ける。総じて周波数が高い方が良いのだが、音の手厚い感じやエネルギーの塊り感は低い方がある感じ。ジャンルや好みで使い分けると面白そうだ。私のメインジャンルであるクラシックの場合は、やはり176.4khzが一番である。

 続いてオーディオグレードのヒューズ。PREAMP BAT VK-51SEのヒューズを付属のもの、金メッキタイプのもの、ジルコンサンド入りタイプのものと3回に分けて聞き比べ。付属のものから金メッキタイプのものに変えると、音は暖色系に変わる。躍動感も出てきて、エコー感も増した印象。ジルコンサンド入りのものは、一転して寒色系に。シャープでやや温度感低め。やはり音の印象が結構変わる。電源ケーブル並みの変わりようだ。

 そろそろお腹が空く時間になってきたので、近くのうどん屋で腹ごしらえ。その時の会話の中で、現在明工社のコンセントを島田さんがスペシャルチューニングしたものを使っていることを話すと、Akimitsuさんが「良いものがありますよ。」と改造セット用ネジを持参しているので、試してみましょうということになった。

 そして衝撃の第3部へ雪崩れ込むことになった。早速壁コンセントを外し、3本のネジを取り出す。この3本は鉄製であった。つまり磁性体。これが良くないとのこと。これをチタン製のネジに換える。チタン製のネジは持ってみると気抜けするぐらい軽い。見た目と持った重みが相当かけ離れているため、違和感すら感じる。チタンといえばチタン製のドライバーは飛ぶぐらいしか、日常生活では思いつかないが、オーディオにも効くとは・・・

 ネジを交換して、全ての電源を入れなおして、SIBELIUSの交響曲を聴いてみる。クラリネットの幻想的な旋律が始まったときグッとその音の質感が良くなっており、自然と背筋が伸びる。バックで静かに抑えられて奏されるティンパニーのロールが団子状態にならず一打一打が明瞭にとらえらる。さらにクラリネットのモノローグの途中で演奏者がする息継ぎの音がはっきりと聞こえた。さっきはこの息継ぎの音は聞こえなかったはず。思わずリモコンのストップボタンを押し、もう一度冒頭から聞きなおした。やはりはっきり聞こえる。ということはさっきまではノイズに埋もれていたのか・・・

 次々にいろんなソフトをかけてみるが、ハンコックさんも驚いた表情。Akimitsuさんはニコニコしている。「ネジ3本か・・・」思わずため息が漏れる。「おばけのQ ぼくはおばけのQ太郎 頭のてっぺんに 毛が3本 毛が3本 だけど 僕は飛べるんだ....フンフン♪♪」おばけのQ太郎の頭には毛が3本だが、その3本がいかに大事か思い知らされた。
 

2006/4/28

捻る、捻るひたすら捻る  

 今日は我が家でのOFF会があった。来ていただいたのはハンコックさんとAkimitsuさんである。ハンコックさんは先週訪問させていただき、その音を聞かせていただいたばかりで、間をあまり空けることなく相互訪問できた。Akimitsuさんとは先月相互訪問させていただいたのだが、その際予定していた電源関連の対策が時間の関係でできなかったので、再度お越しいただいたものである。しかも、前回とスーピーカーが変わっているのでその音も聞いてもらいたかった。

 今日のOFF会は結果的に3部構成となった。第1部はお互いお気に入りのソフトを持ちよりシステムの音をチェック。第2部は実験タイムその1。ブレーカーの対策を行いその効果を検証、そしてマスタークロックやヒューズ交換の影響も試してみた。そして第3部は実験タイムその2。壁コンセントのネジ交換を行った。

 まずは第1部。OFF会の楽しみはハードだけでなく新たなソフトの発見にもある。普段私はJAZZを聞かないので、ハンコックさんが持ってきてくれたJAZZのソフトは新鮮で興味深かった。特に最初に聞かせていただいたピアノトリオの軽快で緻密な演奏は耳に心地良かった。ドラムスの繊細かつダイナミックな音の質感は新たな魅力の発見であった。しかし、ハンコックさんが一番聞きたかったとおっしゃられていたCDは、そのケースを開けてみたところ中身は空。午前中ご自分のシステムで音のチェックをしていてそのままCDプレーヤから出すのを忘れてケースだけ持ってきてしまったもよう。「これってありがちだよね。」と、皆で笑いあい、和やかにOFF会は進行した。

 続いて第2部。Akimitsuさんはブレーカーの対策のため配電盤の蓋を開けて、オーディオ用と冷蔵庫用のブレーカーにコンデンサーを設置した。これで発生するノイズが減少するとのこと。オーディオ用だけでなく冷蔵庫用のブレーカーにも設置したのは、冷蔵庫は消費電力も大きく常時使用しているためノイズの発生が大きいため。さらに配電盤内の全ての屋内配線の先端を捻って配線しなおしてくれた。捻ることによりやはりノイズの発生が減少するのだそうだ。理論的なことは分からないが、これで効果があるのであればお金もかからずうれしい限り。しかし、その作業は結構大変そう。数が多いうえ相当硬そうで力がいる作業だが、Akimitsuさんは慣れた手つきで効率的に作業されていた。私がやったら倍以上の時間がかかりそうだ。捻って、捻ってひたすら捻る・・・

 作業が終わって早速音を出してその効果を検証する。SIBELIUS Symphony No.1をかけてみる。音の前後の定位感が向上した。ティンパニーがその強奏時でも前にせせり出てくること無く定位置で鳴っているのが分かる。木管楽器や金管楽器も少し奥まったところに整然と並んでいる。奥行きを中心とした立体的な空間表現がより正確となった。下手なアクセサリーよりもはるかに効果的だ。「やはり電源は重要だ。」改めてその認識を新たにする。

 続いてマスタークロックジェネレーターの実験へと続くがそれ以降は明日報告します。

対策済み配電盤
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2006/4/27

隠し玉  

 新年恒例の福袋めがけて我先にと殺到し、店員が袋を開けないよう注意しているにもかかわらず、こじ開けて中身を確認しようとする中年のおばさん達。一人でいくつも福袋を抱え恍惚の表情で「これは定価の半額以下だわ!」と喜び勇んでいる。そのような情景をテレビで見て、おぞましくも愚かなと思っていたが、私にも似たような傾向があったとは・・・

 もともと、期間限定、数量限定、展示品処分、決算セールにめっぽう弱い方である。しかし、先日はこともなげに打っちゃられた感じであった。というのは、先日東さんのところでdcsのVeronaを試聴させていただいたときのことである。Veronaについては価格が価格だけにその効果を認めつつも、おとなしく引きさがざる得なかった。その後、東さんのオーディオ談義のなかで「EMM Labsは120Vでつなぐと良いんだよね。」という一言を聞いて、「どういうこと?」という表情をすると、東さんは金色に鈍く光る重そうな物体を指差した。それはAssistance Designのアイソレーション・トランスであった。

 メインの試聴室で常用されていたもので、4個のコンセントのうち2個が120Vで残り2個が100Vに設定されている。その2個の120VにEMM Labsの電源ケーブルを接続し電源を供給していたのである。理系の知識のまったくない私は「そうなのか、120Vの方が良いのか。」とぽかんとしていると「展示品処分のため半額で売る予定ですが、いかがですか?」と問われた。一瞬のうちに頭の中を「120V」と「定価の半額」という言葉がぐるぐる回り出し、思わず「いただきます。」と返答。

 なんとなく、クリーンヒットで塁に出て気をよくして2,3歩リードしたところ、隠し玉に合いタッチアウトになってしまった感じである。まったく想定外の流れであったが、「東さんがそのメインの試聴室で使い続けてこられたことを考えると、音質に良い影響が出ることはほぼ確実であろう。」と思い、いつも行う比較試聴もせずに購入した。

 もちろん定価の半額はやはり決定的な魅力となった。バーゲンセールに群がる女性たちと本質的には大差ないということか。

 とりあえず、そのような経緯で手に入れたアイソレーション・トランスであるが、確かにこれに接続するとEMM Labsは元気になる。もともと躍動感のある音色であるが、低域のエネルギー感を中心に音のキレとタメがより躍動的になった。

隠し玉!
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2006/4/26

curiosity  

 「鶴の恩返し」では、美しい娘に姿を変えた鶴から「決してのぞかないでください。」と言われたにもかかわらず、おじいさんとおばあさんは鶴が機を織るところをのぞいてしまい、その結果鶴は飛び去ってしまった。

 昨日は島田さんから「一晩通電してから聞いてください。」と言われていたのに、好奇心から到着したAntelopuAudio OCXをすぐさま聞いてしまった。その結果、その冴えない効果にがっかりしてしまった。今も昔も人間は好奇心から余計なことをするものである。

 今日は気を取り直し、24時間通電したうえで改めてOCXを試聴しなおすことにした。幸い鶴と違いOCXは飛び去ることなく、リンスニングルームにとどまってくれていた。使用したソフトは「SIBELIUS Symphony No.1 PAAVO BERGLUND指揮Chember Orchestra of Europe」。まず通常の状態で聞き、次にOCXを接続し44.1KHZで同期させて試聴した。

 昨晩とは打って変わって、情報量が増え、音の鮮明度が上がる感じがある。「一晩通電するとこんなに良くなるのか。」思わずOCXの天板に手を当ててみる。ひんやりと冷たいままである。温まったから良くなったということではなさそう。

 気を良くして、次はオペレーション周波数を88.2KHZにしてみる。44.1KHZのときよりも音の立体感が増した印象。空間の見通しもさらに向上。「ということは176.4KHZだともっと良くなるってことか・・・・」ますますのってきた。

 176.4KHZでLOCKさせて同じ第1楽章を聞く。冒頭の木管楽器とティンパニーの音が滲むことなく繊細な表現力をもって演奏され、それに続く弦楽器のシャープな高音が気持ち良い。音と音の隙間の透明度が向上して、音色の変化が微細なところまで把握できる。サウンドステージは高さ奥行きともに広がり、その見通しも良くなる。

 通常の状態で聞いた音の点数を100点とすると、OCXで同期運転した時は120点になる感じがする。OCXの外観については昨日報告したように、どう見ても中国製としか思えないようなチープな感じであるが、その効果の程は、dcs Veronaと比較しても劣ることはないと言っていいと思われる。とすると目をつむって聞けばCP比はバツグンだ。

 どうやらVerona星の引力に捕らえられてその大気圏に突入しそうであったが、それは避けられそうである。

2006/4/25

急がばまわれ  

 先日東さんの試聴室でdcs Veronaを接続したEMM Labsを聞き、マスタークロックジェネレーターの可能性に強い魅力を感じた。しかし、定価が95万円、しかも接続されていたBNCケーブルの価格を含めて考えると優に100万円を超えてしまう。その効果は魅力的だがその価格を考えると二の足を踏まざる得ない。

 そこでもう少し現実的な価格のAntelopeAudioのOCXを島田さんに頼んで自宅試聴させてもらうこととなった。今日宅急便で届いたので、早速開梱してみた。想像以上に小さく軽い。そして極めて安っぽく、ちゃちな作りである。「これで25万円はないだろう、どう見ても1,2万円の製品にしか見えない。」EMM Labsも価格を考えるとその製品としての作りの貧弱さは目に余るものがあるが、それをはるかに上回る安っぽさである。どう見ても中国製にしか見えない。

 しかし、この際そんなことには目をつぶろう。大切なのは中身。音さえ良ければ、それで良いのだ。BNCケーブルはAETのものが2本一緒に送られてきた。これも先日Veronaに接続されていたSTEALTHのものに比べると数段ランクが下がる気がする。OCXとAETそのどちらも見た目的には急激にテンションを下げる効果を持っている。とりあえず接続し44.1KHZでLOCKさせる。島田さんはメールで一晩通電してから聞くように注意されていた。本来の実力を発揮させるためには、ここはじっと我慢して待つべきところだが、堪え性のない私は、ついついCDに手が伸びてしまう。

 RUTTERのRequiemとSchbert Symphyny No.9を早速聞いてみる。「たいして違わないな・・・」初対面の印象が悪かったせいか、音もいま一つ印象が良くない。そこで176.4KHZに変更してみる。多少良くなった。しかし、有機的な響きの融合がなくなる。エッジはシャープになるが、音が冷たい。やはり一晩通電してから聞くべきだった。接続してすぐの状態では、その安っぽさを極めた容姿と同じく、音もいまひとつさえない感じ。これではVeronaの4分の1の価格とはいえ、まったく食指が動かない。

 とりあえず、今晩はその実力を発揮するのは無理のようだから、通常の接続に換え音楽を聴くことに。明日改めて試聴を行うことにした。一晩通電して激変してくれることを願うばかりだ。でなければVeronaの自宅試聴に突入してしまいそうだ。

中国製?
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2006/4/24

絹ごし豆腐  

 昨日のハンコック邸でのOFF会は、密度感のあるバランス良い音を堪能することができた。その音の良さは二つのゴールデンコンビからもたらされたものであるような気がする。そして、その二つのゴールデンコンビについて、それぞれ興味深い実験を行うことができ、OFF会をさらに有意義なものにすることができた。

 まず最初の実験は、Wilson AudioとSS-TW100EDとのコンビについてのもの。SS-TW100EDの有り無しでの聞き比べを同じソフトを使って行った。Akimitsu邸でもその効果に驚かされたが、やはり同じようにその効果にはただ「やはり・・・」と頷くしかなかった。

 「有り」で聞きその後同じ曲を「無し」で聞くと、音がスッと降りてくる感じがする。音の微粒子が飛散して浮遊する感じが無くなってしまう。音楽の神秘性が薄れ、地に足の着いた平坦な音風景に変わってしまう。

 3,4歳までの子供の背中には目には見えない天使の翼が生えているが、小学校に入学して以降はその翼はどんどん小さくなりやがて跡形も無くなってしまう。そんな時間の経過を一瞬にして見せられてしまったような気がしてしまう。

 第2の実験は、Mark LevinsonとJeff Rowlandとのゴールデンコンビについてのものである。実はハンコックさんがModel112を購入されたのはつい最近のことで、以前から使っていたPassのX150はラックに設置されている。そこで、この両者を聞き比べ、その資質を探ろうということになった。

 しかし、この両者外観が結構対照的である。Model112はクールにして繊細なデザイン。しかし手で天板を触れてみると予想以上に熱い。クールな外観だが結構熱いハートを持っている。一方X150はまさにアメリカンマッスルな印象。力強く、多少楽観的なおおらかな外観だ。音の印象もその外観に合い通じるものであった。低域の力強さや中域の厚みはX150のほうがあるが、音の繊細さや抜けの良さはModel112に軍配が上がる。良い悪いではなくどちらが好みであるかが選択のポイント。私の場合はModel112を間違いなく選ぶだろう。両者の違いの印象は「X150は木綿豆腐で、Model112は絹ごし豆腐」というもの。

 この二つのパワーアンプはどちらもCP比が高い。特にModel112はダイナミックオーディオの生産終了に伴う最終ロット特価により定価の半額程度にて購入されたとのこと、まさにお買い得。

ゴールデンコンビ<その2>
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2006/4/23

漉し餡  

 今日はWilson AudioのWatt3+Pappy2をお使いのハンコックさんのお宅にお邪魔して、そのシステムの音を聞かせていただいた。自宅から約1時間半で最寄り駅に到着。駅から徒歩数分で自宅に到着。賃貸ではあるが、鉄筋コンクリート造りの堅牢な建物。これならオーディオも大丈夫そう。聞くと、以前は木造の賃貸だったため、蚊の鳴くような音しか出せなくて、引っ越したとのこと。その決断は大正解だったようだ。

 部屋に入ると7畳ほどの広さの洋間にシステムが整然とセッティングされている。間接照明が上手に使われており、部屋の雰囲気がとても良くなっているとともに、部屋が広く感じられる。しかも、この間接照明により使用機器がシルエット的に浮かび上がり、その美しいたたずまいを際立たせている。

 使用機器は下記のとおりである。実にセンスの良い選択であるとともに、その相性も格別に良いと思われる。デザイン的にもその全てが優れたものばかりで、オーディオ機器としてしての品位の高さを感じさせる。Wilson Audio、Mark Levinson、Jeff Rowlandというアメリカン・ハイエンドの王道を行くブランドにSONYが渾身の気合を入れて作ったSCD1とSS-TW100EDが組み合わされおり、音を出す前からその良さが窺えるシステムだ。
 SP:Wilson Audio / Watt3+Pappy2
 PRE:Mark Levinson / 380SL
 Power:Jeff Rowland /Model112
 CD:Sony / SCD1
 Super Tweeter:SONY /SS-TW100ED

 まず、ハンコックさんが普段よく聞くJAZZから聞かせていただく。バランスが良い。いやな響きや、違和感を感じる音域がない。低域から高域まで全ての帯域の音に密度感があり、空間表現や音色もナチュラルで整った音調バランスが得られている。Wilson Audioのスピーカーはクリティカルな面が有り、使いこなすにはそれなりの技量が必要なはず。お話を伺うと、導入してしばらくは相当苦労された模様。実際手放すことも検討されたようであるが、セッティングの微調整やケーブルの入れ替え、音調パネルなどにより、ここまでのバランスに持ってこられたとのこと。

 続いて、私が持参したソフトをいくつか聞かせていただいた。パガニーニ「うつろな心による主題と変奏曲」渡辺玲子(ヴァイオリン)、エルガー ヴァイオリン協奏曲 HIRARY HAHN(ヴァイオリン)をかけてみた。やはりバランスがよく、密度感があり、思わず「おいしい音」というフレーズが頭に浮かぶ。上質な漉し餡を使った、薄皮アンパンを連想してしまった。餡がぎっしり詰まっていて、一口目からしっかりと餡が口の中に広がり、思わず頬を緩めてしまう感じだ。しかも餡は粒餡ではなく漉し餡だ。上質な小豆が十分に煮詰められ、しっかりと漉され、洗練された味わいをかもし出している。後口がべたつく感じもなく、口当たりがよい。

 この洗練された繊細にして密度感のある味わいは、二つのゴールデンコンビによってもたらされたものだろう。一つはMark LevinsonとJeff Rowlandのコンビ。そのデザインセンスの良さもさることながら、音の繊細にして緻密な感じは、この両者の組み合わせによりもたらされていると思われる。そして二つ目はWilson AudioとSS-TW100EDとのコンビ。どう見ても純正としか思えないようなデザイン的な整合性と音色のつながりの良さは素晴らしい。広い空間表現に、このコンビは多大な貢献をしている模様。「目玉の親父」ことSS-TW100EDの音を聞くのはAkimitsu邸に続き2度目だが、やはり素晴らしい効果をその全ての音域にもたらしている。私もどうにかして手に入れたい一品だ。

 その後お互いのお気に入りのソフトを交互にかけたが、女性ボーカルの声の質感もやはり満足いくものであった。その間美味しいコーヒーをいただいたり、お互いよく行くオーディオショップのことを話したりととても楽しい時間をすごすことができた。そして、その合間に二つの実験もしっかり行った。その報告は明日にでも・・・

ゴールデンコンビ<その1>
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2006/4/22

職場復帰  

 stereo誌の最新号はケーブル特集。オーディオを始めたばかりの2年前には、目を皿のようにして読みふけったものだが、今ではケーブルに対する熱も若干冷め、冷静に読み流すようになった。(とはいってもつい最近PREAMPの電源ケーブルを新しくしたばかりだが・・・)

 そのstereo誌のなかにサーロジックの村田社長によるルームチュ−ンの記事が載っていた。ルームチューンの対象となっていた部屋は、左右の条件が相当違っているため、ルームチュ−ンも相当手の込んだものとなったようだ。我が家も数ヶ月前村田社長におこしいただいて、LVパネルによるルームチューンをお願いした。フラッターエコーはあまりなかったようだが、壁面の共振による100〜150hzの盛り上がりが相当あったため、その帯域の音が濁っていた。「根本的な解決のためには、壁面の補強工事が必要だが、LVパネルである程度解消できるでしょう。」との言葉通り、LVパネルの設置は効果的であった。

 stereo誌に載っていた事例では左右の条件の違いによって、ルームチューンの方法も必ずしも左右対称にこだわってはいなかった。確かに一般的なリスニングルームの左右の条件が完全にそろっている場合はきわめて少ない。私の部屋も右手には窓はあるが、左は壁面のみである。この左サイドの壁は内壁であり、構造的にも弱いもので共振しやすそうである。そこで1枚残っていたQRDのBADを左の壁面のみに設置してみれば、壁面の共振を多少でも緩和できるのではと思い、試してみた。

 激変とは行かなかったが、音の濁りがさらに取れて、透明感が得られた。なるべく左右の条件を整えるようにしていたが、もともとかなり違うのであるから、そう神経質になる必要もないのかも・・・そこで以前左右の条件が変わるからとの理由で部屋から出されたアームチェアも職場復帰することとなった。(実は妻からのクレームもあったのだが・・・)

職場復帰!
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2006/4/21

OCX  

 昨日ダイナミックオーディオの東さんのところで試聴させてもらったdcsのVeronaのことがやはり気になっている。しかしやはり高い。価格がもう少し低くならないと現実的ではない。そう思っていたら、あることを思い出した。それはアクセサリセンターの島田さんがそのホームページでとある無名メーカーのマスタークロックジェネレーターを推薦していたことである。そこで早速ホームページを覘いてみた。

 そのマスタークロックジェネレーターはAntelopeAuidoのOCXである。価格は25万円。Veronaよりも相当安く、現実的な価格である。プロユース機器とのことで見た目的にはそっけない感じだが、その実力は島田さんの評価からすると相当高い模様。 「クロックがロックした瞬間 ピタッと滲みが取れ空気が軽く、背景の静寂の違いが一聴瞭然です。」とその効果を評価されており、昨日Verona有り無しの聞き比べをした印象と近い感じ。

 昨日自分の耳で確認することができたVeronaの効果は、フォーカスがよくなり、楽器の定位感が向上し、奥行きを中心とした空間表現が一層向上する。音色の変化が細かく把握でき演奏のニュアンスもよく伝わる、といった感じだが、OCXについて島田さんが評価されている文章と比較的近いと思われる。マスタークロックジェネレーターで同期させた場合の効果は、ある程度のレベル以上の製品ならほぼ似通ったものとなるのだろうか?

 「島田さんに頼んで自宅試聴させてもらおうか」「しかし、ラックはどうすれば・・・床に直置きはちょっとだし、それにBNCケーブルもある一定以上のものならばそれなりの価格はする。」といつものことながら、千千に心乱れる今日この頃である。

 システムをあまり複雑にはしたくはないが、その効果を実際自分の耳で聞いてしまうと、その可能性を追求したくなるものだ。他のマニアの方も結構マスタークロックジェネレーターは使っているものなのだろうか?

 東さんから昨日「自宅試聴されますか?」と聞かれ「戻せなくなりそうですから・・・」と一旦は断ったが、この際両方借りて自宅でマスタークロックジェネレーターの聞き比べというのも一興かと思ってしまう。




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