2009/5/24

1165:メリーゴーランド  

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 那須街道は数珠繋ぎであった。一本道であるので車が分散しないためであろう。地元の方であれば、込み入った迂回路を熟知しているのかもしれないが、そういった知識は持ち合わせていないので、そのままセオリーどおりの道を辿るしかなかった。

 そのため3時に着くことを予定していたのであるが、やや遅れてSOUND DESIGNの那須試聴室に到着した。SOUND DESIGN FAN CLUBの懇親会は既に始まっていたというか、もう既に佳境を迎えていた。着いた時には赤ら顔の方が数名いらして、みなさんご機嫌状態であった。

 そして、ログハウスの中へ入るとアルコールの臭いが部屋の中に充満していた。そしてソファの一隅には爆睡状態の安西さんが真っ赤な顔を斜め45度に傾けていらした。

 そのとなりにそっと座ったが、目を覚まされる気配は全くなかった。SD05の左隣にはCDP-MS1ではなく、見慣れないオーディオ機器がただならぬ気迫を発散していた。それはNAGRAであった。

 はじめて見るオーディオ機器である。硬質な構成力のなかに、極めて精密で知的な造形美に溢れた機器である。メーターや操作ノブの一つ一つが意味深いものに感じられるほど練られている。触れて操作する喜びに満ちた稀有な存在である。

 そして、その音を聴いて少なからず驚かざる得なかった。何かしら、桁が違うのである。「12と14では14の方が2多い」あるいは「35と39では39の方が4多い」・・・そういった次元からいきなり100の位にワープしたような感じである。

 NAGRAはプロ用の機器であるので2トラック専用である。しかし、このNAGRAは4トラック用のヘッドを特別に搭載している。極めてめずらしい存在である。4トラックのソフトはアメリカのオークションで比較的安価で入手可能とのこと。

 「ハードは比較的安価で入手できるが、普通のNAGRAでは4トラックがかからない」・・・「生録をする気はないので、再生装置として入手したいが、ソフトがかからないのではどうしょうもない」・・・「普通のNAGRAでは2トラックしかかからないが、2トラックのソフトは数が極めて少ないうえ値段がぐんと上がる」・・・「日本製のものは二束三文で売られているが、NAGRAのような音質は望めない」

 極めてスムースに回転するオープンリールテープのように、私の頭の中の「妄想のメリーゴーランド」もぐるぐる回り始めたようである。そして、その回転スピードはいつしか定速に達した。そのスピードはきっかり19cm/secであった。



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