サッカーW杯で、日本がコロンビアに敗れて、1次リーグ敗退が決まった。
すごく興奮したし、期待したし、楽しみだったし、がっかりした。
何の根拠もないのに、日本は活躍すると思っていたし、
残念ながら、結果的に日本の実力を思い知らされた。
どこかで「奇跡」を求めていたし、マスコミにも敗戦後、
「奇跡は起こらなかった」
という言葉があふれた。
「奇跡」を根拠なく信じていた。
自分の中にあらわれたこの一連の心理の流れは、
どことなく太平洋戦争の頃の日本人の心理に近いのではないか、とふと思った。
これはナショナリズムなんだ、と。
日本は「愛国心」を失った、と言う人がいるが、そんなことないよなぁ、と。
これって、あきらかに「愛国心」だと思う。
そして、それは多分、戦時中の日本人の心理と同質のものだと。
ナショナリズムがイケないことだ、と言いたいのではない。
W杯で日本を応援することが悪いというのではない。
そうではなくて、僕たちの心は、そういうナショナリズムに囚われやすくできている。
太平洋戦争時代の日本人の心理を頭で理解することはできなくても、
おそらく同質の感じやすい心を僕たちは抱えている。
だから、そういう心を、ある種のイデオロギーに利用されないように細心の注意が必要だ。
折りしも、「集団的自衛権」がまもなく認められるかも知れない時代だから。
そういう諸々に、影響を受けないように気をつけなければ、
何の根拠もなく、都合のよいイメージに取り憑かれ、「奇跡」のために自分や大事なひとたちの命をささげることになりかねない。
悪いのは、国を愛する感じやすい心ではなく、それを利用して人々を操ろうとする、そういう企みなわけで、くれぐれも、注意をしなければならない。
そんなことを思ったのよ。


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