2010/8/31 23:48
百人町に人影つくり秋暑し
痩せている虚子の鉈豆ほどの柄
空腹はあおぞら蛇と穴に入る
昼食の時間ながれている残暑
秋の蚊へ黄色いつくりものの罠
世界から西瓜はずして契約者
八月の次の自分へ会いに行く
茸徒歩なるべく星の神話のもと
よどみなき秋の鏡や理髪店
雲の橋流星が水つれてくる


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2010/8/30 23:53
市役所のぱたぱたひらく残暑かな
水澄んで国民保険に姓と名
年金や背中感じて刈田道
キウイフルーツ眼の奥に秋澄み渡る
書店より霧消え売れる本ばかり
秋風やうつくしき声紛失す
ダイエットまた曲りまた曲り秋
午後四時の秋風散歩が旅になる
不在票の数字のはやさ秋の虹
いなびかり包装の達人といる


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2010/8/29 23:42
八月がまあるい終わり六本木
六本木の地下に地下あり秋の暮
流星保護六本木上空の青
六本木北京ダックのなかに霧
六本木白き稲妻住み成す丘
六本木の短き距離を秋虹と
六本木銀行銀河銀の手紙
月のあり一人消え去る六本木
穴まどい穴のあかるい六本木
六本木大豆夭夭穴へ大人


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2010/8/28 23:42
いもうとの手花火の火をもらいけり
手花火の手のちかくまでのぼる闇
手花火のあかるさ町にかたちあり
手花火のあと寂しさの消えるはやさ
あおぞらの夜なり手花火が燃える
手花火の庭いろいろな夜がある
まもらねば種火は消える花火かな
手花火のひらりと燃えることばかな
手花火の影の大きなおとうさん
手花火の近づく石のちからかな


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2010/8/27 23:38
流星や喉の渇きし少年ども
ちちははの足りない少年ばかり夏
少年に夏草は一列であり
せせらぎの草を倒して少年老ゆ
少年に母なき遠慮なき小豆
少年や釣瓶落としの小さな門
朝日みのむし少年の闇揺らす
少年の感情ひとつずつ葡萄
少年のかるい経済あおみかん
少年と無花果紙ふぶきつくる母


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