4月:卯月
平成23年4月30日(土)於 北前そば 高田屋 八重洲2丁目店
こんなうれしい句会は多分日本全国を探しても数少ない会と思います。
未曽有とか想定外とか言われるが、実際は言葉にはならない「東日本大地震」です。
その地震被害のもっとも大きい宮城県石巻。石の会の発祥の地と私たち会員はこの地を慕っています。素頓さんの安否を胃が痛くなるほど心配したあの日々。ご無事が確認された時の喜び。そして実際に顔を見たときの安心感と感動。一か月半前の出来事からなんと時間のすぎるのが遅かった事か。
今回は素頓さんの元気な笑顔を中心に編集しました。
麻入汰さんと惟波さんにお届けいたします。
兼題「稀」「当季雑詠」
今月は、鳥閑さんご友人の風信子さんこと鎌倉在住の加藤さまより、兼題をいただき、なおかつ投句をしていただきました。
初めての投句でなんと風信子さんは選句でトップ得点。これで石の会の会員にお入りくださいますでしょう。そうそう、風信子さんは通称石博士と言われる石の専門家。やはり石の会にはご縁があります。
☆スクワット古稀はまだまだ春の夢 風信子
77,78,79,80・・・ハア〜ハア〜〜
☆枯れ草に稀有の輝き蕗の薹 風信子
季重なりに見えますが、下5が季語でしょう。中7がいいですね。
☆希薄さはもう治らぬと別れ霜 風信子
治す必要なし
(風信子さんは特別ゲストとしては名句が多いのであえて3句掲載いたしました)
☆ねぎぼうず師の古稀祝ふ五十路の子 鈴蘭
良い頃で、もう少し先だとどちらが師か、となりそう
☆物忘れ稀なことだと言って春 鈴蘭
上手い。座布団5枚
☆真似すれば稀に答える春の鳥 惟波
鶯では単純ですよね。
☆連なりし瓦礫に薄く春の雪 惟波
「春の雪」という季語は、明るい、淡い、といった印象ですが、今回は別
☆稀有な年清明の風流れけり 鳥閑
温かい風に春だと気づく
☆花吹雪浴びて駅への急ぎ足 鳥閑
遠山の金さんの気分でしょうか
☆大津波稀代未聞の寒き春 摩天
「大津波」と「寒き春」を素直に逆転では駄目なのでしょうか
☆花祭り芸子の胸に募金箱 摩天
どこでも募金箱はあるけれど一段とあつまりそう
☆頑固親父絶滅危惧種希少価値 一兎
季語があれば〇
☆春風や大股で行く黒タイツ 一兎
颯爽とした若い女性が見えてきます。良い句です。
☆雅なり稀なる里に花開き 一桂
稀なる里とはどんな里か
☆桜木に稀なる鳥の止まりをり 一桂
まさか、黄色カラスではないですよね。
☆春の夢稀代の美女となりにけり 泰山
夢でもうれしい
☆春の潮一変したる大悪魔 泰山
中七がやや硬いか・・
最後になりましたが、今回の句会のもう一つの喜びは、均光さんが久しぶりに参加したことです。変わらぬ笑顔と下戸です。これに懲りず多分今後は旧交を温める事ができると信じます。よろしくお願いいたします。

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