5月:弥生
平成22年5月2日(日)於:新宿「忍庭」
今月は、一桂さんが登場。その上、ゲストとして鈴蘭さんも出席できました。
鈴蘭さんは今後は正会員としてご参加いただければと思います。
よろしくお願いいたします。
句会の前に、時間の余裕のあるメンバーは新宿御苑にて新緑を楽しむために、集まりました。予定では、鳥閑さん以外はみなさん御苑散策に参加。それぞれ、俳句を詠むかどうかもめながら木々の緑を楽しみました。勿論、俳句は・・・宿題となりました。
今月の兼題「夜景」「当季雑詠」
(鈴蘭さんご提供の夜景です)
☆春月夜敷石光る深き路地 惟波
「深き路地」が利いている
☆春宵やどこも花道着物の娘 惟波
歌舞伎座ももうじき閉じられるね
☆春ショール10階からの夜景色 鈴蘭
10が十だったら◎
☆灯り消し夜景ながむる春四月 鈴蘭
世の中の灯りを消せば星空が
☆流れ行く車窓の夜景春愁ひ 鳥閑
リズムがいいです。季語もあっていると思います。
☆淡々と老々介護諸葛菜 鳥閑
それども紫の頃がなつかしいです。
(このコメントにつき、紫の頃とは一体なんだろうとの疑問があり、コメント者の素 頓さんに質問が殺到する。漱石の「虞美人草」の一章からの転用だそうで、素頓さ んの奥深い文学に対する造詣に脱帽。ただしやっぱり理解不能という情けない管理 人である。)
☆晩春の夜景もろとも大噴火 摩天
夜景もろとも、がユニークです。
(アイスランドの大噴火、被害にあわれた方の速やかなる復興をお祈りします)
☆春の夜の真珠の街に着陸す 摩天
ハワイにいってきたんですか。
(真珠の街、ということで鳥羽に降りた、という意見もあった。)
☆散り急夜桜の下帰りけり 一兎
桜を惜しみながらいつもよりもゆっくりと歩きたい
☆声合わせ満天星の花数へけり 一兎
数えているのは、星でしょうか、花でしょうか。
満天星、ドウダンツツジの事のようです。)
☆山頂に夜景大きく暮の春 一桂
その中のひとつの灯りが我が家なり
☆杯洗に憂きこと流す春の夜 一桂
手連の一句。見事です。季語もばっちり
☆地下のバー閉め春月へ階昇る 素頓
ママさんのお帰り一日の疲れに月が迎える
☆星と灯の春祭りかな六甲山 素頓
六甲山には人が住んでいるようです。
☆大都会おぼろに夜の景色浮く 泰山
浮いた、浮いた、と浜町河岸に
☆ひこばえや絶えることなき生命あり 泰山
実朝も公暁もつかの間の命だったのに
(摩天さんよりのご指摘で二段切れの句でした。
ひこばえの、と直せば良いとのコメントいただきました。)
夜景、と言われ、夜景という語に縛られ一同苦しんだ兼題でした。
しかし、春の夜の景色一般と理解し、夜桜・ヘッドライト・夜汽車・燈らぬ窓、等でまとめた句もあり、発想の転換の素晴らしさに驚きました。俳句は柔軟な頭脳をつくるとか。これから心して発想の柔軟性を育てたいと思いました。

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