12月:師走
平成21年12月19日(土) 於 上野「香林坊」」
今年最後の句会。忘年会として、石巻より素頓さん、暮は仕事で多忙の一桂さんも参加し、賑やかな会となりました。途中で、鳥閑さんが体調不良のため途中で退席されたのは残念な事でしたが、翌朝には快復とか。どうも二日酔いと寝不足だったようです。
上野といえば動物園。句会の前に、吟行として2時間ほど園内を回りました。
吟行については、後に纏めます。
兼題「時雨」「当季雑詠」
☆能面の笑みより暮るる片時雨 素頓
小面の見る角度によって表情が違うとか
☆蔵王連一峰づつの冬茜 素頓
待ってました茜ちゃん
☆お互いに綴じ蓋の情時雨夜 惟波
「情時」と読んでしまいました。
☆それぞれに柿の硬さの好み問い 惟波
子規はどうだったのかしら
☆街の灯の小窓に潤む時雨かな 摩天
歌謡ショーの司会の台詞
☆橙色にかすむタワーや夕しぐれ 摩天
クリスマスイルミネーションか。
☆夕時雨老婆の語る湯の効き目 一兎
色々有るより少ない方が効きそう
☆片時雨満天星は尚紅く 一兎
歳時記には「満天星」=「白丁花」=夏・・・とあるけど
☆まとまらぬ事ばかりなり夕時雨 鳥閑
鳩山首相の心境を詠みあげた一句
☆稜線をかすかに残し初時雨 鳥閑
はっきりしないのが良い
☆江戸地藏しぐれ心地の霊厳寺 泰山
心地よいリズムを感じる
☆初時雨犬の合羽を探しをり 泰山
猿蓑からの発想
※今月は一桂さん多忙のため、投句、選句の余裕は無かった様子。
良い事なれど少し寂しいですね。
素頓さん、今月は得点独り占めでした。
・音階をかえつつすぐる村時雨
・畑隅に傾く一墓夕時雨
・針の穴通らぬ糸や小夜時雨
総ての句に得点がありました。茜の君を脱却して時雨の君をなりました。
『上野動物園の吟行句です。』
鳥閑さん、この頃はお元気でした。
一人3句投句で、5句選としました。
2点以上を掲載します。
☆短日の水面にカバは瞬きて 一兎
☆ふりむけばゴリラの背中日向ぼこ 摩天
☆冬の森いろん生命かがやきて 一桂
☆千両の大木猛虎おとなしく 鳥閑
☆人間もオスとメスなり花八ツ手 泰山
☆着ぶくれてゴリラと我と似てをりて 一桂
☆猿山のそれぞれ活きる小春かな 素頓
☆虎の住むガラスに写る冬紅葉 一兎
☆冬紅葉朽ちたる屋根の閑々亭 鳥閑
☆ペンギンの二列縦隊寒波くる 摩天
上野「香林坊」にて句会の後。
一路六本木へ。クリスマスイルミネーションを見に行きました。
綺麗としか言いようのない輝きです。
一桂さん曰く。
「入場料取ったら良いのに・・おでんとか焼き鳥の屋台があったら大儲けね」確かに!

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