11月:霜月
平成21年11月14日(土) 於 新宿 「ゐなか」
兼題 「かさ」「当季雑詠」
今月の兼題は「かさ」 かさというと笠、傘を思いがちだが、かさという言葉であればなんでもという楽しいお題です。
発想の面白さに感心していまう句が並びました。
☆ 長き夜の稚(やや9に聞かせる笠地藏 摩天
昔の話しだけんど、NHK記者の五つ子はどうなったのかな
☆ 三度笠小脇にはさみ秋祭り 摩天
顔じゃなくて腋毛を隠しています。
☆ 一面の稲穂や遠く笠動く 惟波
黒澤明の蜘蛛巣城のラストシーン
☆ 笠深き踊りて熱き風の盆 惟波
私も作りました「編み笠やあやしき指の風の盆」
(あやしい指、を見ている作者はもっとあやしいとの意見がでる)
☆ 葉を笠に頭かくして穴まどひ 一兎
もし踏んでしまったら、おおこわ
☆ 秋あかね男体山は雲の笠 一兎
茜の詩人。景のよく見える好句です。
(このコメントは秋あかねを茜空と理解しての評。
少し内容のとり違いがあり、大笑いとなりました)
☆ 菅笠の破れきたるや暮の秋 一桂
菅直人も浮いているようだ
☆ 行く秋やかさ高い父寡黙なり 一桂
「かさ高い」とは「横柄な」という意味。勉強になります。
☆ 骨折れし傘いくつしむ秋小雨 素頓
「傘」をいくつしむのは作者か、秋小雨か?「秋小雨」を上五にしたら・・?
☆ 砂浜の重なる影や月の暈 素頓
リズム最高。でもこの時間になると砂浜は真っ暗という感じもする。
(このコメントは、重なる影を砂丘の重なりと理解しての評。
大方は人の影の重なりと理解しており、またまた大激論。
作者は人の影を詠んだそうです。)
☆ 仏前に供えし菊や母の傘 鳥閑
季節感と言い情感と言い完璧です。
☆ 参道の出店に一つかりんの実 鳥閑
ジャムの宣伝か
☆ 江戸しぐさ傘をかたぶけそぞろ寒む 泰山
うなじの髪の毛が微かに震えている
☆ 野点傘もうせん紅き菊の酒 泰山
800歳とはいわず、せめて80歳まで。
杜鵑という野草
好きな花です。〈個人的な感覚で申し訳ありません)

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