葛飾区柴又への吟行記
平成20年12月13日(土)
忘年会をかねて、東京の下町の代表ともいえる、葛飾区の柴又へと集まる。
素頓さんも参加のにぎやかな吟行となる。
にぎやかすぎて、柴又の矢切の渡しの船頭にすっかり嫌われてしまった。
きっと余りに楽しそうだったので、ヤキモチを焼いたのでしょう。
柴又の駅を出ると、まず寅さんが迎えてくれる。
早速の記念写真。
吟行句は3句投句、5句選とする。
会場にはいり、いつもの事ながら、今日は句会やめてのんびり呑もうよ、と迷う。
しかし、其処は真面目な優等生諸君。結局は句会となる。
☆雲間より光漏れ出て冬半ば 素頓
矢切の渡しの船から見上げた空の雲間から数条の光の筋。一同感嘆する
☆草団子まわし喰いする年の暮れ 摩天
摩天さんがお土産用に買った、草団子を一つづつご馳走になる
☆冬空へこぎ出す舟の櫓のきしみ 摩天
矢切の渡しは音百景に一つとか、だからうるさくしてはいけないのだ
☆冬麗矢切に舟の滑り行く 鳥閑
暖かな日で、川面もしずかな渡しだった
☆柴又の寅も江戸っ子漱石忌 一兎
一兎さんは、3句を忌日で詠む、苦肉の策だそうである
☆船頭の機嫌そこねし枯葎 泰山
江戸川の広々とした河川敷はゴルフ場となり、枯れ草が揺れていた。
☆冬の空トラさんの寝し芝生かな 素頓
寅さんを演じていた、渥美清さんがなくなって今年は13年忌とか。
立派な、寅さん記念館があり、期待しないで入館したが、結構引き込まれてしまった
役者が実に上手いのである。寅さんが好かれた理由が少し理解できた記がした。
☆リストラの男はつらいよ冬紅葉 鳥閑
昨今の世相にはしっくりする寅さんかも知れ無い。
☆木枯や仏頂面の船頭も 摩天
船頭だんにも色々と思うところがあるのでしょうね
☆山茶花の生垣寅さん記念館 鳥閑
山茶花の華やかな色がところどころに見え隠れし、のどかな吟行となった
選句で取られた句のみを掲載しました。
今年も、充実した石の会。
様々な思い出が出来ました。来年もなにとぞよろしくお願いいたします。
石の会の皆様のご多幸と、この国の安寧を祈らずには居られません。
良きお年をお迎えくださいませ。

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