8月:葉月
平成20年8月26日(火)於 新宿「ゐなか」
兼題 「沢」「当季雑詠」
沢というよりは渓谷かもしれません。
日光の神橋です。
今月の兼題は、季語ではなく、単に「沢」となる。
会員のそれぞれの努力の跡が見え、コメントが大いに盛り上がりました。
☆炎天の五輪の広場毛沢東 惟波
作者が思うよりはるかに秀句
(このコメントが議論を呼ぶ。作者がどう思っているのか知っているの?というのが 大方の感想でした。沢という兼題に、毛沢東を詠んだ力量に、一同敬服。)
☆背の高き白百合揺れて風を知り 惟波
背の高きは余計だか、事情により一票
(どんな事情があるのか不明)
☆沢水の手にやはらかき晩夏かな 摩天
挽歌ー不倫の手を清めているのさ
(身につまされたコメントでしょうか)
☆沢を行く我新涼の風の中 摩天
新涼はいい言葉です。すがすがしい句。
(まともなコメントとなりました。)
☆涸れ沢の谷間に揺るる女郎花 鳥閑
女郎といっても遊女ではない。女郎は身分のある女性、若い女性もいうんですね。
(知的な探求がされたコメントです)
☆沢蟹の逃げ足巧み岩場かな 鳥閑
弱いものは先ず逃げる 命あってのものだね
(きちんと句を読んでのコメントです)
☆ゴールして沢沢八月十五日 一兎
お父さんとよんでみたい、お父さんどこにいるの、このまま緑の波に
おぼれてしまいそう、夏のひざしの中で、ざわわ、ざわわ、ざわわ
(この句に◎をつけたコメント。しかし、全く句を理解していないコメントと大笑い となる。この句は、オリンピックの女子サッカーの沢を読んだ句でした。)
☆沢風や明るさを増す稲光 一兎
沢風と稲光の取り合わせが憎い。風と光で風光明媚とね?
☆水上や谷川臨む澤の鶴 素頓
季節がやや不明。冷酒は夏、鶴は冬
☆大曲花火の余韻湯沢かな 素頓
大曲の花火の余韻が湯沢で見えるのでしょうか・・・?
(花火の句をもう一つ。
指折りて十の町なり遠花火 一兎
いまだそんな記憶力を持っているとは、だけど必要なときには裏切られるよね。
句も理解しにくいが、コメントがますます難解となる)
☆音無の澤に水なし秋暑かな 泰山
四夕だ。西行の鴫立澤、定家の裏苫屋、寂蓮の槙立山、そうして音無の澤
(秋暑し、を秋暮と読み違え、ここまでの素晴らしいコメントをくださいました)
☆沢の水汲みて昼餉を秋来る 泰山
上流を調べてみましたか
(コメント大賞となりました。)
奥の細道ならぬ「奥の外道」吟行の思い出として。
象潟の蚶満寺山門にて。

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