五月:皐月
平成20年6月14日(日) 於 一ツ橋「如水会館」
今月は、石巻より素頓さんも上京しての句会。
この朝、岩手・宮城県では大きな地震が起こり、参加できるか否か一同心配していました。予定より1時間ほどの遅れで、お元気に会場に到着。ほっとしました。
亡くなられた方のご冥福と、被害に合われた方に、心よりお見舞いを申し上げます。
兼題「衣更」「当季雑詠」
☆衣更えぷつりと仕付けの糸を切り 惟波
実に面白い視点です。字余りも気にならない好句です。
☆青紅葉水に浮かせて新茶汲む 惟波
風流は青紅葉
☆衣更えふくるる風と歩みけり 素頓
軽やかな感じがいいですね。
☆衣更え生きる悲しみ背負いつつ 素頓
悲しみは脱ぎ捨てましょう。
☆衣更汝が黒髪の艶めきて 摩天
と、お世辞ぐらい言わなければ追い出されかねないのさ。
☆衣更心の憂さを脱ぎ捨てて 摩天
身も心も軽くなる
身も心も軽やかに
(二つのコメントがほぼ同じでした)
☆植え終えて家庭菜園衣更 一兎
人間様の衣替えよりもずっと手間がかかるようですね。
☆若き娘の二の腕まぶし衣更え 一兎
古傷がありませんでしたか。
☆樟脳の一撃ありし衣更え 鳥閑
「一撃ありし」が意外性ある一語になっています。
☆愛着か勿体ないのか衣更え 鳥閑
両方です。だから捨てられません。
☆青き海それで充分衣更 泰山
おおらかな開放感が伝わってきます。
☆ふるぎぬを出してしまって衣更へ 泰山
やっぱり今年は捨てようか
「衣更え」
似た様な句がありました。感性が似た者同士なのでしょう。
仲良き事は良い事です。
惟波さんの、「衣更えぷつりと仕付けの糸を切り」
ほぼ万票を得ました。
失われつつ日本の季節感への憧憬ではないでしょうか。名句です。
サンゴジュの花
句会の前に、皇居東御苑を約一時間半散策。
植物の名前を覚えるに参加者は真剣でした。
一番人気は「サンゴジュ」たわわな花が満開で良い匂いです。
秋には、紅い実となるそうです。
当日、俳句は詠みませんでしたが、後日きっと素晴らしい句が登場すると期待できます

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