四月:卯月
平成19年4月30日(月) 於 鎌倉「秋本」
兼題「惜春・春惜しむ」
鎌倉へ吟行と称して出かける。
鎌倉検定試験を受ける方お二人にご案内をいただきながら、贅沢な鎌倉散歩をしました
まずは、兼題の句から。
☆惜春や小さくなりし母とゐて 摩天坊
かつての大きかった母の存在を懐かしむ気持ちが良く現れています。
☆一晩に一合の酒春惜しむ 摩天坊
そう仰らずもう一杯如何
☆嫁ぐ娘の机の日差し春惜しむ 堂一兎
机はサラの状態でした。
☆引退の朱色の電車春惜しむ 堂一兎
地方の赤字線に回されるのです。
☆惜春や今日一日は青くあれ 鳥井閑
よくわからないけれど、なぜか惹かれる句ではあります。
☆惜春や鳥のさえずり風の歌 鳥井閑
カゾロフの鳥の歌が聞こえてきました。
☆越せぬ壁眩しきモモに春惜しむ 素頓
なんとなく深遠な感じの句。解説してください。
☆春の暮れ忘るる校歌口遊(くちずさ)む 素頓
あわわ、ららら
☆行く春や急ぎ脚にて雲流る 泰山木
風雲急を告げるとはこのことか。
☆感嘆詞いくつもつけて飛花落花 泰山木
兼題句だったら間違いなく◎。実にうまいです。いやいいです。
この日、鎌倉をご案内くださった方のお一人は、ご自身もかなり長くまた熱心に俳句を詠んでいる方でした。お願いして、恥ずかしげも無く、石の会の句を選句していただきました。その結果です。
☆嫁ぐ娘の机の日差し春惜しむ 堂一兎
☆惜春や小さくなりし母とゐて 摩天坊
☆一晩に一合の酒春惜しむ 摩天坊
☆のったりと鯉の影あり春惜しむ 泰山木
☆感嘆詞いくつもつけて飛花落花 泰山木
充実したはや初夏を思わせる鎌倉でした。
結局は、当日の句を披露する時間が無く、宿題となりました。
次回をお待ちください。

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