12月:師走
平成17年12月20日(水) 於 新宿「ゐなか」
今月は11月の「石巻吟行」を思い返して兼題とする。
思い出が句になるというのも、なかなか風流な事。それにしては感動がどうも違った
方向に流れているのは、石の会らしいとも思える。
兼題「石巻吟行句」「当季雑詠」
☆黄落や男は今日もにぎり飯 摩天坊
男は黙ってサッポロビール
☆竹林に抱かるる冬の光堂 摩天坊
掛け軸に出てきそうな光景ですね。
☆高舘や悠々流れ山眠る 素頓
高舘が流れるように聞こえますが
☆十二単浮かんで消える枯れ葉の池(ち) 素頓
十二単の着脱は一枚一枚かそれともまとめてか
☆遣り水に栄華映して散る紅葉 堂一兎
言葉がきれいだから○
☆みちのくの朝今生の大くさめ 堂一兎
実際あった出来事で関係者外秘
☆高舘に無念さ思う冬の朝 均光
ここにも判官びいきがいる
☆北風や三兄弟の綱渡り 均光
団子三兄弟。「綱渡り」はうまい
☆電柱も人も巻き込み冬木立 鳥井閑
「巻き込み」が意表を突いています。私も巻き込まれそう
☆散り紅葉たちまち池は染まりけり 鳥井閑
一瞬空まで澄んで鎮まっています。
☆兵の語り継がれし枯野ゆく 泰山木
何となくいいようで、何となくわからない。だけど○
☆散る紅葉金色堂の光あり 泰山木
小判が降ってくるようでした。ありがたや、ありがたや

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