九月:長月
平成18年10月7日(土) 浅草 「飯田屋」にて
九月の句会は吟行と同時に開催。
新橋の「旧新橋停車場・鉄道歴史展示室」集合とする。展示室はビアホールと同じ建物内。一行はまず、ここで吟行の成功のために乾杯の一杯を空ける。
浜離宮恩賜庭園をそぞろ歩きし、水上バスで浅草に行く、という行程である。
数日来の大雨と満潮が重なり水上バスは欠航。まずはがっかり。船の中でゆっくりと俳句を作るつもりがそうは行かなくなってしまった。
しかし、一行は粛々と園内を観察。どうやら俳句の世界にしっかりと入り込む事ができたようである。
夕方「飯田屋」に到着。仕事のあった均光さんも合流し、いよいよ句会という飲み会の
始まりである。
兼題 「曼珠沙華」「花野」
☆さ迷える御霊集めて曼珠沙華 摩天坊
往生際が悪いのは現世の時から
☆この星のほんの一部に花野かな 摩天坊
最高の花野は天の川
☆池の端緋鯉に競う曼珠沙華 均光
色彩感覚の鮮やかな句です
☆西方もかくあらんやと花野行き 均光
リズムがいい。死を意識するとこういう句ができる
☆曼珠沙華俺は今でもサユリスト 鳥井閑
サユリストに漢字を当て嵌めてめて得心した
☆人の手を借りず広がる花野かな 鳥井閑
雑草は強い、放っておいたら花野のなった
☆逆立てる線香花火や曼珠紗華 堂一兎
季重なりのようですが、よく観察しています。写生句の模範という事で○
☆犍陀多の糸の花びら彼岸花 堂一兎
教養溢れる一句。「蜘蛛の糸」に一票
☆帰って来(こ)と今日も祈りし彼岸花 素頓
此岸より彼岸の方がいいので帰りたくないそうです
☆仰向けに空を眺めし花野かな 素頓
男女の光景かどうかが問題だ
☆地を赤く灯しつくして曼珠沙華 泰山木
まるで地獄の血の海のようだ
☆高原のミルク一息花野かな
一気に飲むと下痢をして花野さんに迷惑をかけますよ
(今回のコメント大賞となる)
続いて、本日の吟行での句を披露。二句と投句とする
当季雑詠 (上位三句を掲載)
◆秋の陽を欄間より見る浅草寺 堂一兎
◆賑ひの仲見世抜けてどぜう鍋 鳥井閑
どぜう鍋は夏の季語ではあるが、どぜう鍋が美味しいから○
◆天高し大道芸の決り技 鳥井閑
浜離宮で大道芸人、着物ショー、津軽三味線を楽しみました
賑々しい句会も終わり。興奮状態の会員はカラオケへと行く
声を出すのも良い事と知りました。
来月は石巻への吟行。素頓さんお世話をお掛けいたします。
よろしくお願いいたします。

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