前回の記事に続き、『
怪奇談絵詞』から、"へんなようかい"をピックアップしていきます。先ずは水生の妖怪を3種です。最初は北国の漁師が遭遇した魚で、頭のサイズが6〜7尺(約2b)ある真っ赤な巨大魚です。もしかして、海面に浮いてきた深海の怪魚(ex.
フサアンコウ)を誇張したのかもしれません。
これには、海坊主もびっくりでしょう。
次は
宗像郡鐘崎浦(現:福岡県宗像市鐘崎)の岩場に現れた約3メートルの海獣です。図中の桶は、この海獣を捕らえようとして使ったものですが、荒ぶる海獣に奪われました。
遠方から流れ着いたオットセイのような気がしないでも・・・
3番目は「
天竺の宿借り蟹」です。姿は蟹というより、頭に鉢巻をしている痩せたタコっぽいです。
手(足?)で酒徳利を握って、何やら楽しそうです。
後の3種は人型の妖怪です。先ずは出くわすと、人が自傷してしまい、最終的には死に至らしめると言う恐ろしき老婆の妖怪です。筑前国の
穂波郡にあった大寺の寝間に現れますが、この妖怪への攻撃は全て自分への攻撃になってしまう妖力を使うようです。
姿やその所業から見ても、妖怪らしい妖怪といえるでしょう。
次は「
高麗の坊主」。全体の印象は「
河童」ですが、甲羅はあるものの、頭に皿がありませんので「
水虎」の一種かもしれません。
弾いている楽器は「月琴」。芸達者な妖怪さんですね。
最後は、メジャー妖怪の一つでもある「
見越入道」です。筑前国の
那珂郡のお百姓さんが夜道で追いかけられたという怪異譚です。尚、このお百姓さんは、鎌で反撃して、この「
見越入道」を仕留めました。正体は"老狸"であったの事です。
"見越入道、見越した" の呪文で消えるの知らなかったのかな。

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