前回の記事は台風19号による河川の氾濫と妖怪について・・・でしたが、今回もその続編です。先ずは、驚きの図画から。台風による天災ではなく、まさに妖怪による"妖災"によって河川が氾濫している場面が、水木しげる大先生による『
妖怪道五十三次』にあるのを見つけました。場所は東海道五十三次の24番目の宿場である「
金谷」で、『
妖異氾濫』の図であります。「
遣ろか水」が引き起こした大井川の洪水に、「
悪樓」が追い打ちをかけております。
「次第高」さんが、逃げ惑う人達を見物しております。なに笑とんねん!
ここ"
妖怪の街・調布"に、ほど近い多摩川の流域でも、一部で水害が発生しましたが、先の『
妖怪道五十三次』では、「
川崎」での多摩川の様子が描かれております。そこには中州で、おとなしく佇む「
かぶそ」(
2011/12/18の記事参照)が描かれておりますが、もし増水し、洪水となったら、完全に流されて"被災妖怪"となるに違いありません。
「かぶそ」じゃなく、「五体面」が転がって流れてきたら、オモチロイと思います。
では、その他の"被災妖怪"候補を、2005年の映画『
妖怪大戦争』の登場妖怪から、いくつかピックアップしてみましょう。台風19号で決壊した河川の一つに埼玉県西部を流れる
越辺川がありますが、そこには「
越辺の平四郎」という河童がおったそうな。
今回の災害でも、命を助けられた子供もいた事でしょう。
「
カジカ爺」や沢蟹の妖怪である「
蟹坊」などの、川の生き物が変化した妖怪も、溺れはしないものの、住み家は完全に破壊されたと思います。
「蟹坊」が猿を敵対視しているのは、たぶん「さるかに合戦」の因縁からでしょう。
一方、いっその事、洪水で流れて消えてもらいたいような、川辺に住む"有害妖怪"もいるようです。千葉県の江戸川流域に現れる「
十貫棒」です。
"奇声をあげながら追いかけてくる"って、通り魔かよ。マジ怖いっす。

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