前回の記事の最後に、臼に顔と手足が生じた怪獣「
モチロン」を紹介しましたが、この様な姿で思い出されるのは、日本の民話の一つである『
さるかに合戦』に登場する「臼」です。下の図画は、江戸後期の版画『
猿蟹合戦図』と、明治44年出版の
長谷川武次郎による"ちりめん本"『
日本昔噺「猿蟹合戰」』からです。
もし、妖怪として名前をつけるなら、「瀬戸大将」に倣って「臼大将」ってとこです。
左端にいるのは、顔と五体が生じた卵です。見るからに、妖怪っぽいです。
一般的なストーリーの『
さるかに合戦』において、子蟹達の仇である猿の最期は、臼による圧死ですが、江戸時代の『
猿蟹合戦絵巻』では、臼がのしかかる事で身動きできなくなった猿の首を、蟹が自分のハサミでちょん切るという残虐シーンが描かれております。
仇とはいえ、イスラム国にも引けを取らない所業であります。
ところで、"臼"に関係する妖怪には、海底に住む「
臼負い婆」が、知られています。本ブログでも幾度か既出しておりますので、今回は
2020/7/16の記事と同様、『
すごいぜ!! 日本妖怪びっくり図鑑』のカードを引用して紹介します。尚、妖怪絵はソーシャルゲーム『
陰陽師〜平安妖奇譚/平安妖絵巻〜』のカードのイラストと差し替えております。
こんな大きな木臼を背負ってたら、海に浮かんで底には行けないやろ と思う。
ところで、ゲゲゲの鬼太郎の悪妖怪退治にも、臼が登場するのエピソードがあります。「
古代の石臼」といい、タイムマシンの機能を持つ怪しい道具です。鬼太郎はこれを使用する事で、男女の悪妖怪の代表格である「
ぬらりひょん」と「
蛇骨婆」を"
先祖流し"して、先史時代に送ったのです。
再びどうやって、現在に戻ってきたのかは、大きな謎になっております。
東京郊外の某所って妖怪の街 調布の、深大寺ですよね。

2