本ブログの記事も今回で931件目となり、目標である「
妖怪千物語」まで、あと70話となりました。 ・・・と言う事で、手持ちの妖怪関連図書や資料等から、まだ記事にしていない、ちょっと変わった妖怪を、今後折々と紹介していこうと思います。先ず今回は、何度も参照させてもらっている
中岡俊哉氏著の『
大人を恐がらせる 大妖怪伝説』(初版:昭和59年8月)から、ユニークな妖怪をピックアップしてみます。トップバッターは「
ずんべら入道」。顔のパーツが無い人型の「
ずんべら坊」(
2017/6/10の記事参照)という類似名の妖怪はおりますが、姿・形が異なります。強いて挙げるなら、その所業も含め「
黒髪切り」(
2016/3/17の記事参照)に近いものがあります。
"人をおそうわけではなく"と解説されていますが、図では完全に襲っております。
次は「
海牛」。"うみうし"ではなく"かいぎゅう"。"うみうし"と読むなら、
10/23の記事で紹介した『
世界の妖怪全百科』の「
海牛」という別妖怪がおります。ちなみに"かいぎゅう"読みなら、水性哺乳類で人魚のモデルになった動物"
マナティー"を指すようですが、この妖怪の本来の姿はまるっきり牛で、"深い深ーい"海底に住んでいるのであります。
巨乳だったに違いない。たくましい男が羨ましい。
3番目は「
水の精」。その名前から、メルヘンかファンタジーなイメージが湧きますが、全然違います。尚、似たような名前で、且つ同じ翁(おきな)の妖怪に「
水精の翁」がおり、水木大先生も"ゲゲゲの鬼太郎"に登場させておりますが(
2017/3/4の記事参照)、これとも異なっております。
その後、驚いた子供たちはタライの水を、ドブに流したことでしょう。
次は"墓場の妖怪"、「
墓鬼」。墓場の妖怪には、皆が知ってる「
人魂」や「
墓の火」、それに
2017/9/21の記事で紹介した妖怪の類が挙げられますが、この妖怪の所業は、さしづめ"お墓版"の「
垢嘗」であります。
"墓場の妖怪といえば、鬼太郎を想像する"のは、余程のオールドファンでありましょう。
次は"変な妖怪"代表格の一つ「
大工の生首」。妖怪の本体が、ミイラ化した老人なのか、大工道具を咥えた生首なのか、悩ましいところです。ちなみに
佐藤有文著の『
いちばんくわしい日本妖怪図鑑』にある「
生首なげ」(
2013/6/1の記事参照)は、逆に、"大工の亡霊"が、「
大工の生首」と同様、消える生首を投げるという妖怪となっております。
パクったのは、佐藤か中岡か?
最後は「
ねこ婆」。"婆"は"ばばあ"読みではなく、"ばば"で、ねこばば。拾った物をこっそり自分の物にしてしまうことを"ねこばば"といいますので、解説文にある、この妖怪のやった事が語源かな? と思いますが・・・
それは違いますのでご注意ください。

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