ここ最近、有名な方々の自殺報道が多くなっています。それほどまでさせる原因も、なかなか表には出てきてはいないようです。だからと言って、妖怪のせいって事は無いとは思いますが、数ある妖怪の中で、取り憑かれると死にたくなり、自殺を実行させてしまうとされる妖怪がいます。
2017/3/18の記事でも紹介している「
縊鬼」です。中でも
聖咲奇著の『
世界の妖怪全百科』には、人に死にたくさせるというより、そのまま噛み殺してしまいそうな恐ろしい姿で描かれております。
こわい顔なら、"鬼"の中でもトップクラスでしょう。
この『
世界の妖怪全百科』は、本ブログでも度々参照させてもらっておりますが、原典や他の妖怪図鑑の類とは異なる容姿や解説がされている妖怪が多々あります。例えば、巻頭カラー頁にあるメジャー妖怪の「
小豆あらい」は、そのオリジナルである『
絵本百物語』での姿は異様な形相で、さも妖怪っぽいのですが、『
世界の妖怪全百科』の「
小豆あらい」は普通に、ふんどし一丁の老人のような姿であります。又、小豆をとぐ音も正しくは"ショキショキ"ですが、"シャラシャラ"と、元気の無い響きになっております。
訳あって、山の中で暮らしているお爺さんです。そっとしておいてあげて下さい。
それでは、本書独特の姿や解釈がされている妖怪をピックアップしてみます。先ずは「
うぶめ(
産女)」。本ブログでも、何度か記事にしておりますが、一般的には、生まれたばかりの赤ちゃんを抱いている母親ってイメージですが、この「
うぶめ」が抱いている赤ちゃんは、干からびてミイラのようになっております。又、子供をさらって、自分の巣に連れて行くという、独特な解説もされております。
目からビーム出してるし、誰もそんな赤ちゃん抱っこなんかしませんよ。
次は「
ひまむし入道(
火間虫入道)」(
2009/4/5の記事参照)。夜なべ仕事している人に対し、邪魔をするというのは、伝承と同じですが、その格好と邪魔の仕方が、相当酷い状況です。
ふんどしまで解いて、めっちゃ嫌がらせしてるやん。かまって欲しいのかな。
由緒ある妖怪の「
青女房」では、姿は伝承とほぼ同じで、御所の女官のスタイルではありますが、その立場に関しては、驚きの解釈がされております。
どうせ妖怪と友達になるなら、他の妖怪を探しますよ。
最後は、他の妖怪図鑑類には掲載されていないであろう妖怪「
においお化け」。"香り"が妖怪化したという、ユニークなタイプです。異臭・芳香や妖気の類を放つ妖怪はいても、その逆は珍しいと思います。
著者の身近な女性に、こんな人がいたのかもしれませんね。

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