この秋の大きな妖怪イベントの一つに、
比叡山延暦寺で10月12日から開催される『
ゲゲゲの鬼太郎と比叡山の七不思議展』があります。
最澄の1200年大遠忌記念事業の一環として、同寺に七不思議として伝わる妖怪たちと、『ゲゲゲの鬼太郎』をテーマにした作品が特別公開されるようです。NHKの人気番組『
ブラタモリ』で、先日の9月21日・28日の2週連続で、比叡山の歴史・文化の他、地質や修行などについて、放映されました。それを観て、一度行ってみようと思った視聴者に対し、大人だけでなく、親子の観光客も呼び込もうとする戦略やもしれません。さて、その「
比叡山の七不思議」とは、「
総持坊の
一つ目小僧」・「
南光坊の
なすび婆」・「
船坂の
もや船」・「
五智院の
おとめの水垢離」・「
にない堂の
一文字狸」・「
龍ヶ池の
大蛇」・「
横川中堂の
六道踊り」であります。いづれも、興味が湧くネーミングですが、今回はその中から「
なすび婆」をピックアップします。この妖怪の正体は、殺人の罪を犯して地獄に堕ちたものの、仏の慈悲で比叡山で住む事を許された老女です。但し、その引替えに顔を"なすび色"にされた醜い姿となり、"にたにた"と笑いながら現れ、ふっと姿を消すという、びっくり系の妖怪であります。「
作物妖怪」(
2015/10/30の記事参照)の内の、"なすびの妖怪"ってわけではありません。下の画像は現代の絵師による「
茄子婆」のイラストの一つに彩色したものです。
想像図ですが、人を驚かすには十分過ぎる様相であります。
尚、この「
なすび婆」は非常にローカルで、マイナーな妖怪ではありますが、2015年にテレビアニメ『
ふるさと再生 日本の昔ばなし』で、第180回のストーリーの一つとして映像化されております。こっちが公式なスタイルと言えるかもしれません。
さすがの水木大先生も、この妖怪は見過ごしてしまっていたようです。
では、"なすびの妖怪"のはいないかというと、この妖怪大国の日本にはやっぱりいるのです。1859年の
歌川広景による『
青物魚軍勢大合戦之図』で、
唐辛四郎・
大根之助二股・
水瓜赤種といった青物軍15人の武将の一人として「
茄子三郎」さんが、ラインナップされております。
頭部が茄子になっている以外、良く判りませんが、"空 豆之進"様が、何か可愛いです。
"頭部が茄子"であるなら、
ビーガンなエイリアン"が秀逸。オリジナルな肉食の"エイリアン"とは違って、繁殖には種子を人体に植え付けるのでしょう。
除草剤を撒いたら、退治できると思います。
最後は"茄子妖怪"の変わり種、茄子にまたがって、空を飛ぶ女子高生がヒロインのソーシャルゲーム『
私、茄子で飛びます。』です。茄子を使って"
穢れ"を祓う使命である「
茄子巫女」に選ばれた女子高生の
こなすが「
茄子神」様の化身に乗って、数々の"
穢れ"と空中戦を行います。ちなみに、Appleさんは茄子にまたがって飛ぶ設定を受け入れられず、『
私、猫で飛びます。』に変えられたという、いわく付きのゲームです。
Appleさんが怒ったのも頷けます。
次々に現れる敵キャラに向けて茄子を投げるというシューティングゲームですが、敵キャラである"
穢れ"というのが、「親泣かせニート」・「激臭おじさん口臭」・「オールタイムキレ老人」・「おばさんクレーマー」・「地獄の加齢臭おじさん」・「危険過激ユーチューバー」・「悪質高額転売ヤー」・「邪魔歩きスマホ」・「迷惑自撮り棒ギャル」・「ウザいパリピ」・「ド変態」・「裏金バラマキ議員」等々、実際に存在する面子であります。
取り敢えず、こいつにはならない様、注意したいと思います。

1