先日放映された、ゲゲゲの鬼太郎
第73話『欲望のヤマタノオロチ』はタイトルにあるように、古事記でお馴染みの「
ヤマタノオロチ」が、欲望に目が眩んだ人間に対して8つの願いを叶えるも、結果的に不幸になり、最後は妖怪「
呼子」にされるというバッドエンドストーリーでありました。(尚、この「
呼子」は人間が妖怪化したもので、アニメ第5シリーズ等に登場した純正の「
呼子」とは別物です。本エピソードでは、この純正「
呼子」も登場させることで、差別化を図っておりました。---
2009/9/27の記事参照) この「
ヤマタノオロチ」は、漢字では"
八岐大蛇"と表され、文字通り"(頭部が)八つに分岐した大きな蛇"の姿であります。・・・という事で、今回の記事は"多頭の蛇(竜)妖怪"と、例によって、H系「
ヤマタノオロチ」の紹介であります。先ずは、「
ヤマタノオロチ」よりずっと小型ですが、同じ8つの頭を持つ蛇妖怪、文化3年(1806年)刊の説話集『
周遊奇談』にある「
石見国八頭蛇」です。ちなみに
石見国とは島根県の西部で、古事記の「
ヤマタノオロチ」の出没地点である
出雲国と隣接しております。
「ヤマタノオロチ」は神話ですが、こちらの「八頭蛇」は妖怪としては"あり"ですね。
日本神話に限らず、ギリシャ神話にも「
ヤマタノオロチ」っぽい多頭の妖怪がおります。上半身が女性で下半身が蛇の怪物「
エキドナ」と、半身蛇体で身体中に蛇が絡みついている怪物「
テューポーン」との子で、9つの頭を持つ大蛇「
ヒュドラー」であります。「
ヤマタノオロチ」は「
須佐之男命(スサノオノミコト)」によって、退治されましたが、「
ヒュドラー」は「
ヘラクレス」等によって、退治されています。
釘バットで首ちょんぱされ、松明で焼かれるって、動物虐待ですね。
又、「
ヒュドラー」の兄弟には、なんと100個もの頭を持つ「
ラドン」という竜がおりました。
ヘスペリウスの園で黄金のリンゴを不眠不休で守っておりましたが、「
ヒュドラー」と同様、
ヘラクレスによって、理不尽に倒されてしまいました。
不眠って事だけど、絶対順番に寝てると思います。
一方、中国神話からだと、9つの人頭を持つ大蛇である「
相柳」が割と近いでしょう。
2010/4/17の記事で紹介している「
相柳」の図画は頭が連結しているようで、個々に動けそうにもなく、分岐しているイメージはないのですが、『
山海経「
巻八海外北経」』の図画を見ると、首が有る事が判ります。(判りやすいように彩色しております。) ちなみに、この「
相柳」さんも、"
夏朝"の創始者である英雄の「
禹」さんによって退治されたもようです。
こんなヤル気なさそうな奴なら、禹さんも楽勝だったことでしょう。
では、クールジャパンから生まれたHな「
ヤマタノオロチ」の出番であります。先ずは「
もんむすくえすと!」の「
ヤマタノオロチ」さん。8体の上半身美少女型の蛇体に捕まると、色々と絞り取られてしまうようであります。
全然羨ましくない。本当なら、絶対気持ち悪い!
最後は、「
ヤマタノオロチ」が人間に生まれ変わったケース。別に頭が8つに増えるわけでもなく、身体が蛇とか竜の様に変容するでもなく、なんか好き勝手しちゃってるようです。これはいけませんね。
こっちはちょっと羨ましいです。

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