2013/7/1
白昼夢 徒然浮草
浅草橋からの帰りの電車で、小学生の男の子の一団と乗り合わせる。
何処の私立だろうか、上品な薄縹色の制服に印の入ったランドセルを背負ってる。
集団の中の1人のコが、今日、眼鏡デビューだったらしく、皆でハリー・ポッターとのび太の話に夢中だ…
短くて柔らかそうなサラサラの髪、真っ直ぐ伸びた細い脚、ぽこんとした膝小僧、細い肩、賢しげに此方を覗く仔犬の瞳、綺麗な指先……狡いなぁ、君達……私が慾しかったモノばかり。
睡くて自制が効かなかったせいで、かなり熱心に見つめてしまったらしく、件ののび太が気付いて自意識過剰気味に、時折、此方をチラチラと覗く。
うーん、おばさん、別に疚しい気持ちはないんですが……寝たふりをします。
おばさんはね、昔、男のコになりたかったんだよ。
君達に負けたく無かったから、スゴく頑張ったんだけど……。
………無いモノ強請りなのは知ってたさ。
…………
