2013/2/28
アネモネ 徒然浮草
アネモネの花の散り際の儚さが、切なく、愛しい…
桜の様な狂乱的な熱を持たず、ただ、其の花弁の重さに絶えかねて、静かに散華する様が愛おしい。
散り敷いた花弁は涙の様で…
まるで何か、静かに強かな、風化しない願いや祈りの様で……
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桜の様な狂乱的な熱を持たず、ただ、其の花弁の重さに絶えかねて、静かに散華する様が愛おしい。
散り敷いた花弁は涙の様で…
まるで何か、静かに強かな、風化しない願いや祈りの様で……


2013/2/27
星の金貨 と 黒猫 徒然浮草
『黒猫』と、みんなが呼んでる男のコが居た。いつもお金が無くて、お腹を空かせていて、ひどい時はろくに寝る場所も無くて、いつも大変そうなのに、いつも楽しそうに笑ってるコだった。
ある日、店にやって来て…
『今月、お金無い…厳しい…お腹すいた……』
と、云うので、
『此間お給料出たばっかりじゃん…何に使ったの?』
と、彼の好きなココアを淹れながら訊ねると…
『あのね、ゆうべね、歌舞伎町で女のコが泣いてて、聞いたら、お母さんが病気でお家に帰りたいんだけどお金がない…って云うから、二万円貸したげたの。』
嬉しそうにココアを飲みながら彼が悪びれもせずに云う…
『黒猫……それは、貸したげた、ではなくて、あげた…だね。』
『 え?Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)』
『黒猫…たぶん歌舞伎町には君より可哀想な女のコは居ないから安心していいよ。』
『そ、そーなの?』
『うん、たぶん居ないよ。夜、約束無ければ、店閉めた後ご飯食べに行こうか?』
『うん、行くーっ?』
黒猫は黒くて真っ直ぐな尻尾を夜空に向かってくるくる動かす。
星が、金貨に成って夜の街に降り注ぐ……。
愉快じゃないか。
綺麗じゃ、ないか。
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ある日、店にやって来て…
『今月、お金無い…厳しい…お腹すいた……』
と、云うので、
『此間お給料出たばっかりじゃん…何に使ったの?』
と、彼の好きなココアを淹れながら訊ねると…
『あのね、ゆうべね、歌舞伎町で女のコが泣いてて、聞いたら、お母さんが病気でお家に帰りたいんだけどお金がない…って云うから、二万円貸したげたの。』
嬉しそうにココアを飲みながら彼が悪びれもせずに云う…
『黒猫……それは、貸したげた、ではなくて、あげた…だね。』
『 え?Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)』
『黒猫…たぶん歌舞伎町には君より可哀想な女のコは居ないから安心していいよ。』
『そ、そーなの?』
『うん、たぶん居ないよ。夜、約束無ければ、店閉めた後ご飯食べに行こうか?』
『うん、行くーっ?』
黒猫は黒くて真っ直ぐな尻尾を夜空に向かってくるくる動かす。
星が、金貨に成って夜の街に降り注ぐ……。
愉快じゃないか。
綺麗じゃ、ないか。
