小泉環境大臣と国連環境サミットネタであるが、小泉氏発言の一節は、以下の通りである。
“In politics there are so many issues, sometimes boring. On tackling such a big-scale issue like climate change, it’s got to be fun, it’s got to be cool. It’s got to be sexy too.”
青臭い科白であるが、おやじ政治家どもの「政治的に正しい」種類の、もっともらしい言い回しよりはずっと好感を持たれたことだろう。
ところで、ワードのチョイスとして"sexy"はいかがなものか、との報道があって、いやいや誰かこのアホ・メディアに英語を教えてやってくれないものか、と思っていたら、You Tuberの「メンタリストDaiGo」氏が、またメディアがやらかしてます、ウソ報道、ときちんと解説をしていたので、安心した。どこの国でもそうだが、若い者はしっかりしていて、世界を良くするためのより早い方法は、早く年寄りが死んでしまい、今の若者たちが世界をリードすることしかないな、という気がした。
ところで、その席上でメディアが小泉大臣に突っ込んだ理由は、日本が石炭火力発電に寛容、あるいは何ならその輸出にまで血道を上げていることはおかしくないのか、というのが、その論点である。石炭火力反対派は、日本に捕鯨をやめろ、と言っている自然保護団体と同様に、日本に石炭火力の新設あるいは輸出をやめろ、と叫んでいる。それでコイズミ、おまえはどうするのか、と記者が詰め寄ったのに対する答えが上記の発言だ。
その回答の含意は、記者さんよ、あんたの主張はまず面白くないし、かっこ悪いし、野暮だよね、ということである。政治家の答弁として非常に適確であるし、しかもしゃれている。このあたりは、親父譲りである。
それについての日本のメディアのコメントは、セクシーって何かいやらしくね?というものでしかなく、恐ろしいほどに日本メディアのレベルの低さを露呈している。
今回のサミットでは、Greta Thunbergという16歳の環境運動家が登場したのが別の注目点だったが、環境問題が、炭素税とか排出権といったカネの話に結び付き、結局は新型の利権争奪戦でしかないところ、少年少女たちまでもがそんな政治に動員されて来ている、というのが、世界の政治の新たな潮流なのかも知れない。
ひと昔前には、火力発電は二酸化炭素の発生源なので、クリーン・エネルギーである原子力にシフトいたしませう、というようなプロパガンダが美しい物語として語られていた。今は、山本太郎氏などが、原子力のようにリスクの高い手段ではなく、火力発電こそが最も有効な発電手段である、と訴えるようになった。
果たして、日本のメディアは、環境問題に対して、どんな立ち位置を選ぶのか。その答えを自分でも考えず、国民に考えるための材料を提供することもせず、セクシーだって、何かいやらしくね、とささやいているようでは、何を考えているのか分からない。
地球環境問題、まずオマエが真剣に考えろ、カス・メディア。いつまで楽しくもねえ、かっこ良くもねえ、セクシーでもねえ、わけの分からない環境問題をグズグズ報道し続けているのか。
そうは言っても、小泉進次郎氏の良さは、38歳以上には分からないのかも知れないので、それはそれで仕方のないことであろうと思う。

1