東京都民なので、東京都知事選挙については、けっこう問題意識を持っている。
小池百合子氏が出馬宣言をしたが、自民党からは「違和感」だと報道されている。
自分の脳内では、森五輪委員長が激怒して「あのバカ女が!」と叫び、石原伸晃都連会長に電話して「何やってるんだ!」と罵倒している姿しか思い浮かべることができない。
自民党の都連ではジャニーズ・パパの前総務省事務次官を推している、と報道されているが、本人はその気なし、と否定し続けている。彼はすなわちダミーであり、本命はどこかに隠されている、と考えるのが順当だろう。
これがもしストーカー殺人事件なのだったら、捜査上、まずやるべきことは防犯カメラの映像を解析することだ。それで自分もグーグル検索エンジンを使って、容疑者の特定を急いでみた。
すると、そこにははっきりと容疑者の姿があった。彼に関しては、6月27日の産経のニュースで次のように報道されている。「(彼は)『自民党や公明党が支持してくれれば出馬する用意がある。支持するかどうかは先方の判断だ』と述べ、自公の対応をふまえて決断する考えを示した。自民都連関係者に立候補の意向を伝えたという。」(筆者注:産経新聞が森五輪委員長の昔の勤務先であり、現在も彼の御用新聞であることに留意。)
いつダミーがはずされて、彼が世間に公表されるのかは分からないが、それに先立って、彼が何者であるかを一般公開しておこう。
竹花豊、67歳、兵庫県出身、東京大学法学部卒業、警察庁入庁、広島県警本部長、東京都副知事、松下電器参与を経て、現在株式会社東京ビッグサイト社長。
ちなみに、年齢は舛添要一氏と同じなのだが、東京大学法学部の卒業は舛添氏より2年遅い。(どうでも良い情報だが。)
さて、おそらく華々しく登場するのは、この人物である、というように自分の検索結果からは想定される。彼は、石原都知事が警察から引っ張って来た人物であるが、2年間の副知事時代の業績は、歌舞伎町を「健全化」したことであるとされる。すなわち、石原氏は、彼の用語で言えば「三国人」によって歌舞伎町が荒らされていることに業を煮やし、警察に頼んで辣腕の人物を呼んだのである。彼は、東京都そして松下電器の用心棒として良く働き、現在は展示会場の経営者、というものにまで出世したのだ。
彼と新宿区長の対談という記事も読んだが、その辣腕ぶりについては、歌舞伎町の家主や商店主に向かって、ヤクザへの利益供与を禁じ、「最後は、防弾チョッキを着る覚悟が必要なんだ」と威嚇したことが堂々と記載されている。町を「健全化」するためには市民が撃たれてもやむなし、という剛腕ぶりは感動的ですらある。記者が、それで歌舞伎町にいた連中はどうなったんですか?と質問したのに対し、彼の答えは、「神田や錦糸町に流れた、と聞いている」というものである。
要するに、石原都知事が歌舞伎町を浄化してくれ、と言ったので、彼は歌舞伎町を掃除したのだが、結局、ごみは東京の別の場所に拡散しただけだった、というのが、彼の副知事時代の功績である。
それで、自民党の都連がどういう決断をするのかは知らないが、まさかこの元副知事を本当に都知事に据えようとするのだろうか。昔、美濃部亮吉氏が都知事になれば、「都庁に赤旗が立つ」と揶揄されたのであるが、この人物が都知事になれば、「首都が警察権力によって制圧される」ことは間違いない。当然、警視庁はこの候補を全面的に支援するはずである。
日本国憲法は、内閣総理大臣が「文民」でなければならないことを規定しているが、地方自治法は、知事が警察上がりであってはならない、とまでは言っていない。要するに、都民が認めさえすれば、昔風の用語を使えば、こわもての「内務官僚」にして、国家権力の用心棒、である人物をリーダーに迎えることも不可能ではないのだ。
ただ、一都民としてはっきり言っておくが、私は、警察に支配される東京に住みたくはない。
「崖から飛び降りる覚悟で」出馬を宣言した小池氏も、同じ思いなのではないだろうか。こんなところで言うのもなんだが、私はせっかく「崖から飛び降り」たお姐さんの心意気に、ぜひ応えたいものだと思っている。

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