毎日新聞
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日本郵政:取締役に曽野氏 斎藤次期社長が要請
日本郵政グループの持ち株会社、日本郵政の取締役に作家の曽野綾子氏(78)が内定した。28日にも開かれる同社取締役会で正式に決定する。
関係者によると、次期社長に内定している元大蔵事務次官の斎藤次郎・東京金融取引所社長が就任を要請し、曽野氏の内諾を得たという。
曽野氏は聖心女子大学卒のクリスチャンで、保守系論客として知られる。代表的な著作に「誰のために愛するか」「貧困の僻地」「哀歌」などがある。日本財団(財団法人・日本船舶振興会)の会長を95年から05年まで務め、貧困、格差問題などに力を入れた。
日本郵政人事を巡っては、亀井静香金融・郵政担当相が今月21日、郵政民営化の方針転換に伴い、西川善文社長に代わって斎藤氏をトップに充てる人事を発表。その際、取締役数人も同時に交代させる意向を示していた。
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さて、面妖な展開になって来た日本郵政の人事だが、都市伝説的な怪情報を点と線で結んでみると、実は案外分かりやすい話なのかも知れない。
そもそも西川社長やその任命者である当時の竹中大臣の背後には、ゴールドマン・サックスがあり、その本丸に鎮座するのは、ジョン・ロックフェラー4世(あるいは、ジェイ・ロックフェラー)である。そして、金融危機で、米国政府が即座にリーマン・ブラザースを潰し、ゴールドマン・サックスを助けたのは、つい昨年の話である。
さて、鳩山(弟)総務大臣による西川社長追い落とし工作が失敗したが、その当時のシナリオでは、西川社長の後任として、西室元東芝会長が用意されていたと噂されており、その工作には、読売新聞のナベツネ氏が関与したとされる。彼らは、シティ・グループ人脈とされ、その総帥は、デイヴィッド・ロックフェラー氏である。
ジェイ氏がロックフェラー家の長男の長男という「本家」筋に当たるのに対し、デイヴィッド氏は、ジェイ氏の父親の末弟であり、すなわち叔父に当たる。
すなわちこれは、金融グループ名で言えば、シティ対GSの日本郵政を巡る対決だが、ファミリー内の論理で言えば、叔父と甥の対決だった、ということになる。
これに対して、亀井、斎藤という昔の名前で出て来た人々は、単純にドメスティックな特定郵便局長たちの利権の守護者のようにも思われた。ところが、曽野綾子氏である。曽野氏は長く日本財団の会長だった。すなわち、笹川良一氏の人脈である。そして、笹川氏はジェイ氏の父君であるジョン・ロックフェラー3世と繋がっていた。
ならば、曽野氏を指名したのは、ジェイ氏なのだろうか。彼は、ハーバード大学で東洋学を専攻した後、国際基督教大学で3年間を過ごしている。すなわち、彼の父親は、はじめから日本をターゲットにし、そのために長男を日本に送り込み、人脈を作らせていたのだ。そして実際、彼は日本通である。
西川氏を辞めさせ、もっとジェイ・ロックフェラー氏に近い筋を送り込んだのが、今度の民主党政権なのだろうか。そうだとすると、亀井氏こそ、本当は郵政改革の真の担い手なのかも知れない。
まあ、すべての出来事を陰謀説で読み解くというのにも無理があるが、郵便貯金を外資から守るべし、という価値観を持つ方は、曽野綾子氏という人選を良く観察した方が良いのではないか、と思う。
日本の政権交代も、実はロックフェラー家の家庭問題に過ぎなかった、と考えると面白い。結局、世界は一家、人類は皆兄弟なのだから。

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