河北新報社
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日教組の教研集会拒否をめぐり、プリンスホテル側に損害賠償などを命じた28日の東京地裁判決の要旨は次の通り。
▽施設使用拒否
ホテルは日教組と施設の使用契約を締結したのに、正当な法的根拠なく一方的に施設使用と集会参加者の宿泊を拒否した。裁判所の仮処分命令の決定にも従わず施設の使用拒否を継続しており、債務不履行に該当することは明らかだ。
使用拒否は、民事保全制度の基本構造を無視し、司法制度を無視する容認できない不当な行為であり、違法なことは明白だ。その違法性は著しく、ホテルには不法行為責任がある。
使用拒否で、組合員らの全体集会などへの参加が妨げられた。集会は参加者がさまざまな意見や情報に接することで自己の思想や人格を形成、発展させ、相互に意見や情報を伝達、交流する場となる。参加者は集会への参加について固有の利益を持ち、その利益は法律上保護されるべきだ。
ホテルは、渡辺幸弘社長らによる施設使用拒否について、傘下77単組や組合員らに対し、不法行為に基づく損害賠償責任を負う。
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というような訳で、政権を取りそうな民主党の一翼を担う日教組が大喜びするような判決が出された。一度日教組に場所を貸すと言ってしまったら、それが宿泊者や近隣の住民にとってどんなに大変なことになっても取り消してはいけない、という厳しいご沙汰である。
この判決は、原告である日教組側の言い分をそのままコピーしただけのことで、予約を取り消したプリンスホテル側の言い分である、入学試験を実施する近隣の学校や住民が受ける不利益については、全く言及されていない。そういうことは、判断の材料とすべきではない、という態度である。大体、「使用拒否は、民事保全制度の基本構造を無視し、司法制度を無視する容認できない不当な行為」だというのは、標準語で書けば、オレがダメと言ったのに言うことを聞かねえたあ、太え野郎だ、という意味であって、きっと東京地裁の裁判官の背中には桜吹雪が散っているのだろうと思う。
日教組の教研集会がそんなに大事なら、右翼の街宣車が付近でわめき散らすことがないようにいかに規制するのか、が問題だろう。近所の私立高校の受験生が試験中に街宣車の騒音を悩まされることが、教師の質を高めるために、受忍しなければならない権利の制限である、と教えても、受験する中学三年生は、きっと納得しないことと思う。
【民主党にとっては、今の時期にこんな判決を出されて、むしろ迷惑だろう。】

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