朝青龍明徳(あきのり)とは、ドルゴルスレン・ダグワドルジ氏のことであり、大相撲の横綱である。彼がその卒業生であり、その名の由来でもある明徳義塾高校で殺人未遂事件が起きた、と言う。
殺人の歴史は、聖書によれば、カインがアベルを殺したのが第一号であるが、その動機は、兄の弟に対するコンプレックスであった、とされる。このコンプレックスが、負けたくない、勝ちたい、という情念にまで高まり、それがその後の人類史に引きずられるエネルギー源にもなった。
しかし、スポーツにおいては、勝ち負けはあるルールの下で競われるものであり、ラグビーの場合で言えば、試合終了後は、ノー・サイドとなる。試合が終わったのに、相手チームに敵意を持つ、ということは、厳に戒められるべきことである。
朝青龍に、横綱の品格という議論が出たことがある。横綱には、勝負に強いだけでなく、精神性が求められる。それは、どんなスポーツでも同じだ。ルールを守るフェア・プレイの精神、敗者への配慮、そういう精神性がスポーツ教育の本質であり、もし、「自分の勝ち」にこだわり始めたら、それはダーク・サイドへの転落であり、スポーツへの反逆だ。
教育現場は、もっとスポーツマンシップを強化すべきだ。スポーツ有名校の明徳義塾が、更に精神性の高いスポーツマンを育成されることを念願する。

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