『私』にはいくつもの「私」がいる。
矛盾な反応を有する、いくつも「私」がいる。
意地悪な「私」
怒りっぽい「私」
すぐ諦める「私」
いやな顔をする「私」
多くの「私」を一つずつ幸せな「私」にしていく。
全部は幸せにならなくとも、一生に一つかもしれないけれど、幸せな「私」へ変えていく。
『私』は、幸せの「私」の数ではなく、幸せになろうとする「私」の意識を見る。
一枚ずつ重い、冷たい服を脱ぎ捨てるような生を求めている。
いつかは幸せな「私」となり、それが『私』に融け込む時まで、「私」を見ているのである。

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