「私」は死を恐れる。
「私」が疑うことのできない「有」から「無」として、存在を無くすことを恐れる。
「私」が支えてきた存在の悲しみ、怯えを予想してしまう。
しかし『私』は幾度となく「私」という身を纏い、苦を克服する。
『私』を変容させるために「私」はある。
『私』の変容は宇宙の変容である。
宇宙の変容は自己清浄化であり、バランスであり、調和であり、プラス・マイナス・ゼロであり、永遠ともいうべき時が必要である。
『私』が消滅することはないゆえに、「私」が「無」になることも「有」になることもなく、ただただ舞台俳優の演技のようなものである。

0