知者不言。言者不知。 塞其兌。閉其門。 挫其鋭。解其紛。 和其光。同其塵。是謂玄同。故不可得而親。不可得而疎。不可得而利。不可得而害。不可得而貴。不可得而賤。故爲天下貴。
姿なき言葉に翻弄され滅んでいく者の存在を知っていながら、言葉に配慮せず、自ら発した言葉に殺されていく。
さらに、人の発した言葉の端を、むしり取り、言葉の矢じりをあらぬ方向へと向かわせ、ただひたすらに人目を集めさせることで自らを短命にしている。
私の言う赤は赤ではなく、そのことを知らず、同じものを見ている、同じ場所を探していると勘違いするのは、言葉は発せられた瞬間に違う意味を有していることに他ならない。
言葉は文字ではなく、音声でもなく、映像でもなく、まさに共有する時空あっての体験でさえも不完全な相続なのだ。

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