96-12-03
私は知人であり、私への委託者、そして委託者の従業員である女性2人と東京へ出張して、飯田橋にあるホテルに宿泊している。
私は1泊2日のつもりで予約し、業務を終え、ホテルで1泊し、チェックアウトしたのであるが、久しぶりの東京とでも思ったのだろうか、荷物をホテルにあずけ、地下鉄渋谷駅のホ−ムにいる。
その時に地震があった。
電車がゆれながらこちらに向かってきたかと思うと、傾き、いきおいでこちらの方に飛んでくるように倒れてくる。
私はとっさに地下を支えている太い柱の影に入り、電車は柱に衝突し、止まっている。
その時に私の携帯電話がなりだした。
声の主は依頼者の従業員の女性である。
業務を至急に対応するようにと、細かい指示をしてくる。
私は怪我人も多いだろう地下鉄の事故を伝え、早急に救急車などに連絡するとともに、救援しなければならないと伝える。
ところが、社長の指示を伝えなければならないと詳細に内容を伝えてくる。
緊急事態に要領の悪い女だと思いながら、とにかく今はそれどころでないので、事務所にFAXしておいてくれと電話を切った。
何度かこのことで口論となっていたので、後味の悪い電話であった。
救援活動にはそのまる1日かかった。
救援活動を終わってみると、ホテルに全ての荷物を置きっぱなしである。
ところが、ホテルに荷物の所在を確認しようにも、電話番号も、名前すら明確に覚えていない。
携帯電話は電池切れかかからないので、公衆電話を探している。
あいている公衆電話を見付け、電話番号をうつ覚えの名称で探そうとするのだけれど、なかなか探しだせない。
その時に、宿泊したホテルマンが私を見付け、ホテルに連れて行ってくれるそうだ。
ホテルでは私のことで問題になっているという。
ホテルでは、私の名前で昨日依頼者らしき男が、5〜6人の女性とホテルでみだらな行為をしており、1泊で10万円以上かかったあげくに、いなくなってしまったということなのだ。
私は救援活動をしていたし、私には関係ないことで、とにかく荷物がほしいと伝えた。
ホテル側は金の問題、みだらな行為をしてホテルの品位を落としたということでかなりの剣幕である。
ホテルマンのあとをついていくのだけれど、ホテルマンは身軽にガレキの山の中をすいすいと進んでいく。
私は遅れそうになりながらもなんとかあとをついていく。
ホテルに近づいてみると、ホテルのまわりが広い範囲で陥没し、まるで海の中の離れ小島のような雰囲気である。
道路に出て車で移動しているようだが、そのまま海のような陥没した部分を警察官が止めるのを無視して進んでいく。
小島についたとたんに、ホテルに入るどころか、突然の津波である。
私は大きな柱をよじ登り、上部の方で津波の影となる方にしがみついている。
それは何の柱だったのかはわからない。
津波はその大きな柱よりも高かったけれど、波しぶきをあびながらも私はそれにのまれることもなく、助かったのである。
というところで目を覚ますと午前4時半である。
朝のニュ−スで午前7時10分頃九州で地震があり、津波警報が出ているそうだ。
妻が言うには、それほど大きな地震ではなく、震度3程度だそうである。

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