久々にぎっくり腰をやってしまった。久々にというのは15年ぶり、これで2回目のことである。前回は小柄なオッチャンと一緒に荷物を運んでいて、障害物があって通りにくかったので、小柄なオッチャンをかばって思いっきり伸びたら、「バキッ」という衝撃音(確かに聞こえた)に加えて目から火花が飛び散った(ように見えた)。それから半日は痛むといっても歩けたし、立ったり座ったりできたので、予約していたCDを引き取りに行ったりしたが、夜になり座敷で食事をしていたら立ち上がることができなくなった。翌朝になり、何とか当時住んでいた近所の某整形外科に行ったのだった。
今回はシャワーの後、洗面所でドライヤーで髪を乾かし、歯磨きした後ちょっと姿勢を変えようとしたところ、「クキッ」となった。前回に比べたらはるかに衝撃は小さいので、これくらいなら知れてるだろうと高をくくっていたが、翌朝目が覚めて起きようとしたが座ることさえできない。しばらく両腕で支えてやり過ごそうとしたが、一向に痛みが治まらないので再び横になった。携帯で助けでも呼ぶかと考えたが、起き上がれないことには来てもらっても鍵すら開けられないことに気が付いた。そうこうするうちに携帯の充電はもう残り少なくなってきた。さらにはトイレにも行きたくなってきた。
覚悟を決め、ベッドの枠につかまりながらゆっくり立ち上がり、棚やドアに捕まりながら何とか歩くことができた。シャワーを浴びて近所の整形外科に行きレントゲンを撮ったところ、「これは以前スポーツか何かで痛めましたね?」と言われた。「腰の骨は一箇所隙間が開いてますね。これは腰椎分離症です。」スポーツなどで起きる疲労骨折なのだそうだ。つまり15年前の「ぎっくり腰」がそれだったに違いない。
あの時、件の某整形外科ではコルセットはおろか、湿布と痛み止めが処方されただけだった。そういえば、その某整形外科ではそれ以前にも2回ひどい目に遭った事があったことを思い出した。
1回目は約20年前、左手人差し指の付け根を脱臼した時だった。「カクッ」と関節が外れて戻らなくなったのだ。右手でエイッとやったら無事戻ったと思ったが、曲げたらまたすぐに外れてしまった。もう一度エイッと戻して某整形外科で診てもらったところ、「レントゲンで見る限り骨に異常はないな。外れた状態で来てもらわんとわからん。」と結局湿布と痛み止めを処方されただけだったのだ。それからギターを弾くのも控え1,2ヶ月が過ぎたが、一向に痛みが治まらないので別の病院に行ってみた。すると脱臼とは関節が外れると同時に関節の「袋」が破れており、だから固定する必要があったという。しかしそれをしていなかったため、「袋」が治るにつれ周りの筋か神経も一緒に癒着してしまっていたのだ。それで動かすと痛みを伴っていたのだった。「今更固定しても遅い。痛みをこらえて積極的に動かし、癒着を断ち切るしかない。」と言われた。
2回目は
「ムカデ事件」の時だった。夜に大阪城公園でムカデに数箇所咬まれ、翌朝某整形外科に行ったが、「ここには血清なんて置いていない。もっと山の方の病院にでも行けばあるだろう。」と言われ、傷口を消毒し、痛み止めを処方された。
そしてよせばいいのにぎっくり腰で行ったのが3回目だったのだ。あまり信頼できなかったにもかかわらず、痛みで遠方の病院に行く気力がなく、仕方なく行ってしまったのだ。その後、引っ越したのであえてそこに行くこともなくなった。
そうは言っても、近所の多くの友人・家族が骨折した時、
そこでお世話になり無事回復した。単に某整形外科の得意分野は「レントゲンで明らな骨折」だったということなのだろう。
病院選びは慎重に行わなければならない。疑問に思ったらすぐに別の病院に行くべきだ。

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