今回はギター・クラフト「最後のコース」であり、オーケストラ・オブ・クラフティ・ギタリスツ公演参加のため、イタリアのサソフェラートまで出向いた。
帰りはアムステルダム−大阪便の出発が早まったにもかかわらず、ローマ−アムステルダム便が大幅に遅れたため、大阪行きの便に乗りそびれてしまい、アムスで一泊することとなった(もちろんホテル、食事は飛行機会社持ちである)。運良く下着一組は手荷物に入れていたので、不快な思いをせずに済んだ。
思い返せば、初めての海外旅行も予定通り帰国できずに往生したものだ。
以前にも書いたが、それは親友と二人で大学卒業時に英国に出かけた時のことである。当時は格安航空券が出回り始めたばかりだったが、それでも今のヨーロッパ直行便より遥かに高い金額を払ってシンガポール経由の便を購入したのだ。
2週間の英国滞在を無事(?)終え、帰国の途に就いた。ロンドン・ヒースロー空港でチェックインすると、驚いたことにカウンタースタッフから予約が落ちていると告げられた。シンガポールまでは空席があるので大丈夫だが、そこから先はもう一度シンガポール到着次第確認しろと言われた。
そう、帰国便はキャンセル待ちのまま出発したのだが、滞在中に旅行代理店より予約が取れたとの連絡が入り、さらにリコンファームした際にも間違いないことが確認できたので、すっかり安心していたのでこの時は少し驚いた。
シンガポールに到着すると、やはり予約は落ちており、さらに悪いことに日本へ向かう便はこの先数日予約が一杯で全く空席がないことを告げられた。このまま空港でキャンセル待ちするか、それともホテルで待機するかと聞かれ、結局ホテルへ向かうことにした。不測の状況に慌てふためいた相棒は入国カードを何枚も書き損じるは、ぼったくりタクシーにつかまるわ、目も当てられない状態だった。
結局右も左も分からないまま、シンガポールのホテルに数日泊まったのだが、航空会社に何度連絡して空席はないと言われ続けた。これでは埒があかないので、結局ホテルをチェックアウトし空港に向かった。
航空会社の係員と交渉していると、数人の日本人グループに出くわした。彼らもいろいろな事情から日本に帰る便に乗ることができなかったのだ。数時間にも及ぶ団体交渉の末、見事日本航空会の便に振り替えてもらえることになった。
その時は航空会社に非があるとばかり思っていたのだが、数年後、実は旅行代理店の担当者のミスであることが分かった。当初帰国便の空席がなかったので、希望日の前日、そして翌日もキャンセル待ちをかけ、そのまま出発した。現地で希望日の空きが出たので、それを押さえてもらったのだった。しかし代理店担当者が前日分の予約をキャンセルし忘れたため、自動的に希望日もキャンセルされたのだった。
現在では基本的に帰国便の予約が取れていないと航空券は発券出来ないのだが、当時はそういうことはなかったため、こういうトラブルも起こり得た。そもそも格安航空券とは、航空会社が正規料金では捌ききれない分を格安で団体旅行向けに代理店に卸していた航空券を、代理店が勝手にばら売りしていたものだったのだ。だから旅行業界内のルールを知らないと、こんなトラブルにも見舞われて当然なのだ。
その代理店担当者も経験不足だったのだろうが、自分達も全く何も知らずに格安を買い、宿の予約もなしに、さらには帰国便の予約も取れていないのに、初めての海外旅行に出かけるとは、全く愚かな行為をしたものである。やはり若かったということか。

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