留守中に「クリムゾン・キングの宮殿」40周年エディションのボックス・セットが到着していた。

(箱を開けても顔、顔、顔、顔、顔!)
さて、内容は、
CD1:2009年リミックス+別テイク、バージョン
CD2:オリジナル・マスター+BBCライブ、別テイク他
CD3:オルタネイト・アルバム+ロバート所有オリジナル初回プレスLPからの盤起こし
CD4:ライブ1969
CD5:米国ラジオ・プロモ用モノミックスからの盤起こし
DVD1:
a) 5.1サラウンドミックス
b) 2009年リミックス、オリジナル・ミックス、別テイクを24ビット/96KHzステレオ音声収録
c) 2009年リミックス、オリジナル・ミックス、別テイクを24ビット/48KHzステレオ音声収録
d) ハイドパーク・コンサートより「21世紀の精神異常者」の映像
という、合計6枚組の凄いボリュームである。

(盤面も顔!)
今回の目玉は5.1サラウンド・ミックスなのだが、残念ながら我が家には再生システムがないので、これを楽しむことができない。とりあえず、高解像度ステレオのDVDオーディオだけ聴いてみたところ、2009年リミックスの音のクリアーさに度肝を抜かれた。
特にドラム、アコースティック・ギターが非常に生々しく、さらにヒスが劇的に少なくなった。
このアルバムがレコーディングされた1969年は、マルチといっても8トラックしかなく、たくさんの楽器を録音しようとすると、トラックが一杯になった時点でサブミックスをする必要があった。付属ブックレットのロバート・フリップ、シド・スミスの解説をまとめると以下のようになる。
1.まずマルチトラック・テープにドラム、ベース、アコースティック・ギター、ピアノを録音
2.それを別のマルチ・トラックにステレオ・ミックスし、空いているトラックにメロトロン、エレキ・ギター、ボーカルその他をオーバーダブ
3.それをステレオにミックスしてマスター・テープを作る
4.曲間のクロスフェードを行なうため、さらに別のテープにダビングしてオリジナル・マスター完成
つまり、ベーシックのドラム、ベース、ギター、ピアノは、最終マスターに辿り着くまでに4回のダビングを経る事になるので、音がぼやけノイズが増えてしまうというわけだ。さらに、最終ミックス時にギターをもう少し上げたくなっても、バランスを変えることができない。どうしても変えたければ、もう一度最初に戻って1から録音をやり直すしかないのだ。
今回はオリジナル・マルチおよびサブミックスから高解像度でコンピューターに取り込むことで、サラウンド・ミックスとステレオ・リミックスを作ることが可能になったという。
道理で音が生々しいはずである。タムの余韻、ベースのピッキング音、少し弦が死んだアコースティック・ギターの音色がはっきり分かるようになった。
もちろん、オリジナル・ミックスとは若干バランスが異なるので違和感はあるものの、この生々しさを体験したらもう戻れない。近いうちにサラウンド環境を整えて、5.1ミックスを聴こうと思う。
オマケの別テイク集も凄い。サックス、ボーカルをオーバーダブする前のトリオ演奏による「21世紀の精神異常者」、コーダ部分が別テイクで、オリジナルにはなかったロバートのソロが楽しめる「風に語りて」などが収録されている。
最後に疑問点を一つ。「ムーンチャイルド」は短縮バージョンがメインに収録され、そのかわりオリジナル・ロング・バージョンはボーナス扱いとなっているのだが、なぜか24/96ではどちらもロング・バージョンが収録されている。これはおそらく製造ミスだろう。

(ディスク・トレイはピンクi、レアなプロモ白レーベル!)

(封筒に入っていた写真)
蛇足ながら、限定ボックス・セット以外にも、DVD+CD(ボックスのCD1と同じ)、CD2枚組(ボックスのCD1とCD2)のバージョンも発売中。日本盤は紙ジャケで発売。
バーニング・シェッドのキング・クリムゾン・コーナー
(自分はここで購入。送料を入れてもかなり安かった。)
海外通販が不安ならアマゾンで↓

限定5CD+DVD-Aボックス(輸入盤)

国内盤紙ジャケCD+DVD

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