最近足繁く図書館に通うようになった。
図書館と言えば、小学校時代以来ご無沙汰だった。もちろん高校、大学時代も行ったことは行ったのだが、数えるほどと言ってもいい。
そもそも何故そうなのかと言うと、レンタル・レコードも含めて「借りる」ということにある種の後ろめたさを感じていたからなのだ。
例えば、お気に入りのミュージシャンのアルバムは、極力新品で購入するようにしている。そうすることによって、自分の支払った対価の何パーセントかが「印税」として彼らに支払われ、それが最終的に彼らをサポートすることになるからである。
だから、「好きなミュージシャンは?」と聞かれても、その人のアルバムを少なくとも8割は所有していない限り、「この人が好きです。」と言えなかった事も数多い。
また、レンタルで借りたレコード・CDは、何故かよそよそしい。友人に借りたらそうでもないのに、どういうわけかレンタルは駄目なのだ。
さて、自分はコレクターではない。コレクターとは、聴かないレコード、読まない本、弾かないギターなどを集める人種のことである。自分もいつかは税金対策と言って、ヴィンテージ・ギターを買ってみたいところだが、買えば毎日弾くに違いない。
コレクターではないので、それほどギターもレコードも本も持ってはいないが、それでも狭い我がアパートの収納スペースはもう一杯である。そこで、優先順位の低い本は買わないことに決めた。
とりあえず、本は図書館で借りて読むことにした。もう一度読みたくなったら、また借りればいい。どうしても手元に置いておきたくなった時だけ購入するのだ。
ところがこの図書館、なかなか曲者である。
会員になると、ネットで本の検索ができ、市内の図書館同士のネットワークができているので、行きつけの図書館に目当ての本がなくても、予約すれば他の図書館から取り寄せることができるのだ。
期限ギリギリに返却に行っては、手ぶらで帰る筈もない。また何冊か借りてしまう。さらに、ネットで予約した本が貸し出し可能になったら、メールが届く。お陰で毎週図書館に通う羽目になった。
さらに悪いことに、ずっと前に廃刊になっていた本が、図書館にはあることが多いのだ。もう読むこともできないだろうとあきらめていた本が、簡単に読めるようになってしまった。
金は節約できたが、思わぬ時間を要することになってしまった。とは言え、浮いた金をいくら貯めたとしても、ヴィンテージ・ギターは夢の夢である。

0