今回のZUMヨーロッパ・ツアーは、4週間の間にドイツ7箇所、チェコ2箇所、ウィーン、バルセロナ2回、アンドラの合計13公演を行った。それからNSTワークショップをウィーンとアンドラで行い、さらにウィーン、バルセロナ地元サークルとの活動もあったので、滞在中のオフはほとんどなかった。
まずはベルリン、テーゲルに降り立ち、ルシアーノ、プロモーターのフリーダー、そしてなんと9年ぶりの再会となるクリスチャンに会う。クリスチャンの招きで彼のアパートで夕食をご馳走になった。彼は、自分が今までに出会った中で最も優れたギタリストの一人である。テクニック、表現力、情熱いずれにおいても文句の付け所のないギタリストだ。
彼はずいぶん前にアルゼンチンからドイツに移住、その後しばらくして、ギタークラフトからはすっかり遠ざかってしまった。今はヴェンチャーズ風エレキ・インストバンド
「ロス・トゥワング・マーヴェルス」で精力的に活動している。
近況報告や昔話、いろんな思い出話に花を咲かしていると、最近もっぱらのお気に入りとしてかけてくれたCDはなんと・・・寺内タケシの「レッツ・ゴー運命」であった。
「このアームの使い方、そして絶妙のニュアンスが最高だね。」と熱く語るクリスチャン。寺内タケシはまともに聴いたことがなかったけど、確かにすごい。40年経ってドイツ在住のアルゼンチン人スーパーギタリストに聴かれているなんて、まさか本人も夢にも思わなかっただろう。

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