くんじろうの詩のボクシングの全国大会優勝は偉業である。彼が三重大会で優勝し、全国大会の出場権を得たとき、まさか優勝とまで思わなかったが、「相当いいところまで行く」と本人に予言したことがある。勿論、社交辞令としての予言ではなく、その根拠はある。彼は「控室で詩人たちの話しのレベルは高い。とても彼らの足元にも及ばない」と言ったとき、彼らは頭で詩を作るが、あなたは身体からにじみでる言葉を持っている。「くんじろう」という体臭が言葉に乗り移ったら、相当いいとこへ行くよと彼をはげました。いっそ優勝間違いなしぐらいの予言をしとけば、今頃わたしは世紀の大予言者の名声を欲しいままにしていたはずなのに・・惜しいことをした。

さて私のほうの朗読会は、ささやかながら、オリエント美術館地下の小ホールに立ち見がでるほどの盛況で、主催の壷坂輝代さんたち詩人もやや興奮気味だった。
私の朗読は詩の世界に川柳の、それも死をテーマにした悪意の一滴をそそいだに過ぎなかったが、ストーリーがいい、ストーリーと川柳のコラボは新鮮だったと、皆さん喜んで下さった。そして、来年は「ネピューラ」会員として参加することになった。さっそく「来年は趣向を変えて喜劇でいきましょう」と・・調子のいいこと言ってしまったのだが・・まあ来年のことだから・・。

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