午後から「BSおかやま句会」は4.30に終わって、会場近くの「ギャラリー夢想庵」の「現代詩画展ー声をひらく」に顔を出す。壺坂輝代さん、日笠芙美子さんたち詩人と画家のコラボも6回目で、すっかり市民に根付いているらしく、私がいたわずか30分ほどの時間にも人が絶えることがない。ゆっくりと鑑賞させていただきたかったが、5時から地元劇団の公演を観にゆく予定で、ご挨拶もそこそこに失礼する(内容は逐次公開する予定)。
岡山を活動拠点する「劇団ひびき」の『箱の中』
第1幕「パンドラ」
事件の重要参考人として精神鑑定を受けている佐藤。彼の営む時計店に大量の
血痕が発見され、妻えみ子は行方不明。 妻は死んだのか?犯人は誰なのか?夫婦の間に一体何があったのか…?
第2幕「もう1ラウンド」
かつてタイトルを争った元ボクサー二人が留置場で再会。その一人秋山が逮捕
されたのは元妻えみ子の殺人容疑だった。
キャッチコピーは「報われない男と救われない女。もう1ラウンドあれば、人生は変わっていたのか…?」ミステリアスでシリアスで、悲しいけれど、どこか滑稽な…(パンフレットより)
舞台は1、2幕を通して、箱をイメージするシンプルなセットだけ。そこが時計屋になり、留置所になり、夫婦が会話する居間になり、取調室にもなる。
商業演劇は見慣れているが、前衛なのか実験なのか、最初は戸惑ったが、2幕目からストーリーが掴めてくると、「妻えみ子をころしたのは誰か」というミステリアスな展開に引き込まれてゆく。
舞台と客席が近いため、その辺にいるオニイちゃんを集めてきたのかと思った俳優たちも、実は個性的で、特に、タイトルマッチに敗北してからずっと、「もう1ラウンドあれば」という人生を引きずっている秋山役の誇張するのではなく、自然ににじみ出る熱さと、ナイーブな孤独感がとてもよかった。
アンケートに「何か書きたいのですが、今はとてもよかった、としか書けません」と記して帰った。

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