典型的な高齢者集団と思われている川柳界も、確実に世代交代が進んでいる。
読売新聞の「よみうり時事川柳」を川上三太郎、石原青龍刀、楠本憲吉(俳人)の跡を継いで、昭和62年から、20年にわたり選を担当された尾藤三柳先生が、降板された。
降板の理由は「齢傘寿を迎え、気力・体力ともに漸く衰えを感じ、本年より机上の戦線を縮小する計画の一端でもあります」と潔く述べられている(「川柳公論」187号巻頭言)。
ある大結社の代表が、すでに登壇の時の足腰もおぼつかない高齢でありながら、代表にしがみついているのとは志が違う。
「凛」も創立以来代表を努められた村井見也子さんから、桑原伸吉氏にバトンタッチされた。辻嬉久子さんも編集に加わる。
このお二人の交代は、結社、グループを運営する立場のものにとっては好ましい例になる。常に世代交代を考えながら、勿論、定年制のように年齢で測るものではない。
人はそれぞれの美学にそって結論を出すのだろう。

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