回転寿司はこの世の果ての如くあり
蓑虫が風に揺られて異次元へ
転生のよさこい節を口ずさむ
大破作品を高く評価する俳人の堀本吟氏は「川柳的情念の根幹にあるカオスはこういう形であろうか」「虚無と無頼の気配」「風狂をたずねつつ存在論へ足を踏み入れている」といい、「生きること即諧謔という摂理をしった大器ぶり」と書く、そして「大破が代表する同人誌は高知にあって個性ある同人を集め、独特の反骨精神と底力をみせる。それは大破の型破りな包容力に負うところがおおきい」と結ぶ。(現代川柳の精鋭たち)
高知という閉鎖的で古い川柳体質に新風を起こさんとして、古谷恭一、北村泰章らとともに「川柳ぐるーぷ木馬」を創立したのは昭和54年のことであった。
死はいつか猫の匂いを近くする
鶴の家鶴は静かに病んでいる
月下の家にセロ弾きが来て泊り込む
開脚の少女がいつか地にまみれ
唐突な愛も前世の契りかな
人間の鼻が惰性になつてくる(つづく)

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