顎のはずれた鯨

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まだあれば教えてください

いや〜すごかった。なにしろこんなローカルな岡山の地に青森から、仙台、横浜、高知、福岡からと110数名の参加をいただいたのだから、地元スタッフは大慌て。

私の50分ほどのスピーチに居眠りしていたのはくんちゃんほか約2、3人。後の皆さんは熱心にメモを取りながら聞いてくださった。内心ではメモにするほどの話しじゃないと思いながら悪い気はしない。ついつい気合が入りすぎたのか、少し時間が延びてしまった。居眠りしていた癖に「ええ話やったで・・」と銀ちゃんええ加減や（笑）。

来賓としてお招きした参議院議員、姫井由美子さんは初当選以来何かと週刊誌的話題になっているが、素顔はなかなかの美形で仕事もできる。私とのわずかなつながりを大事に思ってくれたのか、この会のためにわざわざ東京から駆けつけてくれ、すぐ大阪に引き返すという離れ業の中にも、川柳のことも少しは調べてきたらしく、即興の一句で笑いを誘ってくださった。

そしてお待ちかねの披講である。(つづく)

今日は「第一回BSおかやま川柳大会」。

また報告しますね。

「いとう岬責任編集」と銘打つ気合の入れようで「SyunKan」が創刊された。15年つづいたという「旬」の後に出されたものだが、より岬氏の個人的色合いの鮮明な誌になっているようだ。

巻頭言に「では、−自分の求める文芸ーとは何か。発表する以上読者との何らかの対話(コミュニケーション)がとれるものでありたい。それも、退屈を排した上質なものでありたい。川柳が文芸のなかに違和なく溶け込めるものにしたい」と志が述べられている。

ふりそそぐひかり私の逆上がり　　徳永政二
バランスを崩して紐になっている

無力感ばかりを溜めるガラス瓶　　大西俊和

いちまいのはがき山椒魚になる　　ひとり静
返します父から借りていた滝を

お迎えにいかねばならぬ西日かな　いとう岬
ときどきは鍵の穴から咲くために

ほかに8名ほどが作品を寄せているが、やわらかな光りのようなのびやかな作風がこの誌のカラーになる気配。しかし、「実際、闇はただの闇にすぎないのだが、その暗さのなかにはさまざまな想いや想像の羽根を広がらせる魔力がある」と書くみさき氏の文に、この誌の志を潜ませているようだ。

チャールトン・ヘストンの死は、私にとっては古き良きハリウッドの死を意味するに等しい。どこから見ても偉大なるハリウッドスターであったし、その存在感は他を圧倒していた。

地上最大のショウ（1952年）十戒 （1956年,セシル・B・デミル監督。　大いなる西部 （1958年、ウィリアム・ワイラー監督。　ベン・ハー (1959年、ウィリアム・ワイラー監督。　エル・シド （1961年）　ダイアモンド・ヘッド 1962年）　北京の55日 1963年）　華麗なる激情 （1965年、キャロル・リード監督。偉大な生涯の物語（1965年）　猿の惑星 (1968年）　ジュリアス・シーザー（1969年）　アントニーとクレオパトラ （1972年）　三銃士 （1973年）　大地震（1974年）　エアポート'75 （1974年）　大いなる決闘（1976年）クライシス(1990年）　ハムレット（1996年）

ただその存在感が柄の大きさとして、やたらスペクタクルな映画に出まくるという一時期があって内面的な演技を要求される映画は少なかった。

映画「岡山の娘」福間健二監督作品に出演している俳句と朗読の石原ユキオちゃん（横顔）が、「BSおかやま川柳大会」に来るという噂がちらり。

実は前にもここに書いたように、彼女のお母さんが初心の頃の私の川柳仲間だつたというご縁もあって、彼女たちの句会に行ったり仲良くさせてもらっている。

父親代わりとまでは言わないが、親戚の煩い叔父さんぐらいの役回りで紹介するね。

川柳作家がサイン会をする。
『地球を読む―川柳的発想のススメ』の著者、田口麦彦さんの「田口麦彦全国縦断トーク＆サイン会」である。
麦彦さんご自身は「多少気恥ずかしいが川柳を広く知ってもらうためにドンキホーテになったつもりで頑張るとのこと。
【スケジュール】
3月08日　喜久屋書店熊本店（熊本市）終了
3月18日　蔦屋書店三年坂店（熊本市）終了
3月23日　ジュンク堂福岡店（福岡市）終了
《スペシャルウイーク》
4月11日　ジュンク堂京都BAL店（京都市）15：00〜
4月12日　ジュンク堂三宮店（神戸市）15：00〜
4月13日　ジュンク堂難波店（大阪市）15：00〜
《札幌川柳社50周年大会記念合同サイン会》
5月17日　紀伊國屋書店札幌本店（札幌市）11：00〜
6月中旬　神奈川大学にて講演会
以降、東京、仙台もスケジュール調整中。

田口麦彦さんが優しい語り口で時代を鋭く批評します。
お近くの方、是非ともお立ち寄り下さい。

『地球を読む―川柳的発想のススメ』詳しくは↓
http://www.izbooks.co.jp/sennryu.html

・・・といえば背のすらりと高い美人だと思い込んでいたが、そのタカラジェンヌの卵が生れた。

まだ中学を出たばかりの、色の黒い、垢抜けしない15歳の女の子(孫娘)。1000分の40にどう潜りこんだのか。母親は「今回は経験のつもりです」と、しきりに予防線を張っていたのだが、本人は、へへへ受かっちゃった〜と屈託がない。

難しいときほど肩の力を抜いてひょいひょいと跳べ、という私の口癖を真似て笑わせてくれたが、勿論、その背景のすさまじい勉強があってこその、ひょいひょいである。

舞台に立てるのは二年先か三年先か。

親バカ?・・いや、祖父バカ?・・なんと言われようとも、そのときはよろしく・・。

洗面器やさしい春と出会いけり

ふらんすの空へふんばる逆上がり

涅槃図やそこらあたりに脱衣かご

鳥雲に人はホームに並ぶなり

さみだれの電気釜など抱いてみる

鰯雲開店休業舌下錠

どうすればいいのと思う漱石忌

寒鴉扉を開けて左様なら

すかんぽを右総代に卒業す

恋猫のざらりと舐める土ふまず

書き出せばきりのないやさしい、そして心地よい俳句。やさしいばかりではなく対象を深く捉える。たとえば「ざらりと舐める」などはうかうかと見ていたのでは書けるものではない。

著者は福岡在の森さかえさん。おなじ福岡の谷口慎也氏の主宰する「連衆」のメンバーで、「天籟」同人。

森さんは決して難解な言葉は使わない。あくまでわかりやすい言葉で挨拶をする。
わかりやすく呼びかけるのである。
明るくユーモアに富んだ句は、森さんの句の特徴をよく表している。
深刻ではなく、妙に陰険でもない。
確かに俳句で楽しんでいる。
だから読み手も森さんといっしょに楽しく朝べるのである。(帯文・谷口慎也)