ホテルはいわば人生の縮図である。ベルリンのグランド・ホテルの1日、ここに登場する人々の生活を例にとってみよう。機業界の大立物プレイジンクは自己の事業が危機に瀕したので他の会社との合同を企てていた。エキゾチックな踊り子として艶名を謳われたグルシンスカヤは昨日の人気も失せ、明日にも自殺を決行せん許り全く気力を失っていた。フォン・ガイゲルン男爵は賭博に浮き身をやつしてた挙げ句、多大の借財を負って盗賊団に身を投じていた。彼はグルシンスカヤの宝石を盗み出して債務を逃れんとしていた。
監督は
エドモンド・グールディング。主要俳優は「お気に召すまま(1932)」のグレタ・ガルボ、「雨」「蜃気楼の女」のジョーン・クローフォード、「チャンプ(1931)」「肉体」のウォーレス・ビアリー、「アルセーヌ・ルパン」のジョン・バリモアおよび「男子戦はざる可らず」のルイス・ストーン、「ビール万歳」のジーン・ハーショルト、この他バーネル・ブラット、ロバート・マクウェード、モーガン・ウォーレス、タリー・マーシャル、フェルディナンド・ゴットシャルク等も出演している。 (キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)
この映画の大ヒットによって、あとの、限定された空間にいくつものドラマを凝縮する映画が作られるようになり、それらは「グランドホテル形式」と呼ばれるようになったという。
三谷幸喜監督の「HE 有頂天ホテル」(2006年/日本)などは典型的なパクリだが、監督自身が堂々とパクリ宣言して、日本映画にはめずらしいく大ヒットしたことは記憶に新しい。

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